サウナ愛好家を満足させるためにここまでやる

「その上で、サウナは高温に設定して室温は上段で96℃(池袋では98℃)です。水風呂については真水の強冷水を採用し、施設によっては水温を13~15℃(通常水温は15~16℃)にしています。その冷水を作るチラー装置については、客室のエアコンと同じメーカーを導入していることもあります。

また、水風呂浴槽は社内の声を反映し、新棟で導入している90センチの深水サイズを、既存棟でも改修工事の際に90センチに変更するよう検討中です」(平山さん)

ドーミーイン事業本部 首都圏事業部部長の平山さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
サウナ施設について説明するドーミーイン事業本部 首都圏事業部部長の平山さん

サウナ室も水風呂も設置費用だけでなく、運営すればメンテナンス費用がかかる。それでもチラー装置を標準装備して利用客に訴求する(チラーが設置できていない棟もある)。サウナ愛好家ほど、サウナ→水風呂→外気浴(備え付けのイスなどで身体をさます)の繰り返し(「ととのう」)を好むからだ。

水風呂
撮影=プレジデントオンライン編集部
水風呂は備長炭を入れた強冷水でしっかりと身体を冷やすことができる

「2017年に開業した『ドーミーインEXPRESS仙台シーサイド』(宮城県仙台市)では、当社で初めて“オートロウリュ”を導入しました。1時間に1回、自動的にロウリュを行うので利用者の方にご好評いただいています。

また、最近開業した施設では“セルフロウリュ”ができるサウナ室も設けています。サウナブームとともに『自分でロウリュをやりたい』というご要望が増え、それに応えたものです」(同)

サウナストーンはフィンランド製

「ロウリュ」とは、サウナ室の熱したサウナストーン(火成岩が多い)に水をかけ、発生する蒸気を循環させて発汗を促すもの。北欧フィンランド発祥の入浴法だ。新陳代謝の促進・デトックス効果・疲労回復やストレス解消に効果があるといわれる。

自動的に行われるオートロウリュなら、他の利用者に気をつかう必要もない。セルフロウリュも周囲の利用者に断りつつ行えば、達成感も高まるだろう。

「昨年12月13日に開業した『ドーミーインEXPRESS豊橋』では、高温ドライサウナ(室温96℃)を設けています。サウナ内は、アロマがほのかに漂うのも特徴です。水風呂は水温15~16℃に設定しています」(支配人の山本章さん)

アロマオイルでリラックスできるミストサウナを好む人もいる。さらに、「ドーミーイン池袋」をはじめとした約8割の施設では、サウナヒーターはフィンランド製にし、サウナストーンも、密度が高く熱に強くて変形しにくいフィンランド産の香花石を使用するというこだわりだ。

ドーミーイン池袋の大浴場にある露天風呂
撮影=プレジデントオンライン編集部
ドーミーイン池袋の大浴場にある露天風呂。

サウナ専門施設ではないビジネスホテルがここまでこる時代となった。