「よくわからないけど」は子どもの心を閉ざす枕詞
子どもが発する話題は、大人にとってなじみがなく、理解しづらい場合が多いものです。それで私たち大人はつい「よくわからないけど、そうなんだ」と相槌を打ってしまうことがあります。実はこの言葉、子どもには否定的に捉えられてしまう可能性があり、注意が必要です。
そもそも、子どもが熱心に話しているということは、あなたに対して、「この人ならこの話を理解してくれるかもしれない」と期待して話している可能性が高いです。そんな子どもにとって、「理解してくれるかもしれない」と期待している大人からの「よくわからないけど、そうなんだ」という言葉は、かなり衝撃的に聞こえます。「この人、この話をわかろうともしてくれないんだ」とネガティブに捉え、「もうこの話題は出さないようにしよう……」と心を閉ざしてしまうかもしれません。
子どもの興味・関心を子どもの目線で学ぶ
では、代わりになんと言えばよいのでしょうか。ここでも「その話、教えてほしいな」と、子どもに教えてもらう姿勢で声をかけるのが私のおすすめです。この言葉は、子どもの話を前のめりに聞こうとする大人がいるというポジティブな事実を伝えることができる上に、子どもが大人に教える機会を自然につくり出すことができる、まさに一石二鳥の言葉です。
大人である私たちが、子どもの話を適当に聞いてしまうことがあるのは事実でしょう。しかし、あなたに向けて子どもが熱心に話しているときこそ、子どもの興味・関心を、子どもの目線から学ぶことができるチャンスです。何かを一生懸命話している子どもに、「その話、教えてほしいな」と伝えたら、きっとその子は目を輝かせて、あなたがまったく知らない世界を力強く語ってくれるはずです。