エゴサーチをしない

自分自身、あるいは自分の会社がまわりの人たちからどのような評価を受けているのかをインターネットで調べることを「エゴサーチ」(略して「エゴサ」とも)といいます。インターネットを使えば、たしかに簡単に自分の評判や噂などを調べることができますが、いったいそういうことをして自分に何か目に見えるメリットがあるのでしょうか。

たしかに、自分に対して好意的な意見が書かれていれば嬉しくもなるでしょう。ところが残念なことに、ほとんどの場合、自分についての悪いコメントや罵詈ばり雑言ばかりを見つけてしまうのではないかと思われます。かなりの高確率で悪い評判しか見つけられないでしょう。

自分に対してアンチな意見ばかり目にしていたら、気分が落ち込むに決まっていますよね。ですから、そもそもエゴサーチなどしないほうがいいのです。

世の中には、知らなくていい情報を目にすることで気分が落ち込むことはよくあります。ボストン大学のアンドレア・マルキュリオは、145人の大学生に「どれくらい頻繁に体重を測りますか?」と尋ねる一方で、どれくらい外見にこだわるのか、どれくらい自分の身体に不満を感じるのかを聞いてみました。

すると、図表1のような結果になったそうです。しょっちゅう体重計に乗っていると、自分の身体に自信が持てなくなってしまうことがわかりますね。体重計に乗るたび、イヤな思いをするくらいなら、いっそのこと体重計に乗らないほうがいいかもしれません。定期健診を受けるのが大好きな人もいるでしょうが、これもあまりやりすぎるのは考えものです。

ネバダ大学のマレー・ミラーは、コレステロール値の検診、歯科検診、眼科検診、皮膚がん検診、血圧検診などを受ければ受けるほど、かえって心配事が増え、ネガティブな感情が高まってしまうという報告を行っています。

健康のために検診を受けるはずなのに、検診を受けるたび、いろいろな数値で問題が見つかって、ガッカリするくらいなら、いっそのこと検診を受けないほうが心はスッキリしたままでいられるものです。

知らなくていいことは、知らないままにしておきましょう。臭いものにはさりげなくフタをして、「見なかったこと」にしておくのが精神的に健康でいられるコツです。