絶対やっちゃダメな6つの「話の聞き方」⑤~⑥
⑤無言アンコール
「ご飯ですよ」と声が掛かったときに、1回で着席してますか? 何回も言わないと来てくれなかったりすると「なんで何回も言わないと来てくれないのかしら、私のこと、軽視してるわ」となってしまいます。そんなことで? と思うかもしれませんが、逆に奥様に何度呼びかけても反応がなかったりしたらどうでしょうか? 悲しくなると思います。
⑥俺のタイミングを察してくれ
「俺が聴いてやろうじゃないか。でも俺は自分のペースを乱されたくない。今やっていることを中断させられるのがイヤだ。だから俺のタイミングを察して話しかけてくるのが良い」という方、けっこういるんじゃないでしょうか?
でもそういう方に限って「でも俺の呼びかけには可及的速やかに応答せよ」と言ったりします。ナチュラルにやっている方が多いと思いますが、せめてどっちかにしましょう。俺のタイミングを察してほしいなら、ご自身も奥様のタイミングを尊重する。または俺の呼びかけにすぐに応答してほしいなら、奥様が話したいときに話を聴く。良いとこ取りをしているということは、奥様が悪いとこ取りをさせられているということなのです。
①~⑥までお伝えしてきましたが、当てはまるものはあったでしょうか?
実は私自身も、特に①と②は無意識に家族や友人など身近な人によくやってしまっていました。カウンセリングを学んで、初めてこれが良くないことだと知ったのです。それまでは「良かれ」と思って上からアドバイスしたり、「自分も自分も」と会話ドロボウをしていました。今はそうならないように意識的に気をつけています。
面倒だな、と思うかもしれませんが、人生100年時代をともに歩むパートナーとの生活を潤いある温かいものにするか、カッサカサで冷たいものにするか、ご自身の姿勢にかかっています。何とか頑張っていただきたいです。
ここでグリットコンサルティング代表の野口雄志さんについてご紹介したいと思います。『定年後の人生を黄金期にする方法』『最強の「定年後」』(KKロングセラーズ)などの著書があり、2014年に定年退職後、コンサルティング会社を起業し、企業支援やセミナー講師として引っ張りだこの方です。
野口さんはその著書で、「コンサルティング会社として起業し最も大事なことはまず相手の話を聞くこと。クライアントの話を聞き課題を全て話してもらうことが仕事の成否に関わる。さらに定年後は普段喋る機会が減るのでついつい自分の話ばかりになってしまいがちだが、そうしていると誰も寄ってこなくなってしまうので気をつけなければいけない」とおっしゃっています。
実際に、野口さんとお会いすると、話下手な私でも話しやすい雰囲気を作って聴いてくださるので野口さんとお会いした後は、いつも元気が出てきます。自分の話を聴いてもらった満足感もありますし、野口さんに対する信頼も増します。だからきっと私と同じように感じ、野口さんとまた仕事がしたい、と思う方がたくさんいて、野口さんはますます定年後忙しくなってきたんだろうと思います。
ここで言えるのは、「傾聴」が家庭だけでなく、仕事にもそれ以外の人間関係にも有効ということです。特に、定年後はついつい自分の話ばかりになってしまう方が多くなると言われていますので、何とかそこを踏みとどまって相手の話を聴く、ということを訓練していくことで、新しい人間関係が仕事でも家庭でもそれ以外でも築けることと思います。
そして、そのことがご自身のライフキャリアをどんどん切り開く要素になることは間違いありません。だから自分のためにも、家族のためにも、「傾聴」を意識してみてください。