税金を軽減できる控除は15種類ある

所得控除は、本人や家族の状況、災害や病気といった個人の事情によって、税の負担を軽くする制度であり、15種類あります。

まず、所得が少ない人に重い税負担がかからないようにする控除に「基礎控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」があります。そして、個人の事情を考慮して税負担を軽くする控除に「障害者控除」「寡婦控除」「ひとり親控除」「勤労学生控除」があります。

社会保障や寄附によって税負担を軽減する控除に「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「寄附金控除」があります。

病気や災害などによる税負担を減らす控除に「医療費控除」「雑損控除」があります。

【図表2】所得控除の種類
出典=『1日1分読むだけで身につくお金大全100 改訂版』(頼藤太希、高山一恵)より

年末調整で適用できる所得控除、税額控除は次のとおりです。

・勤務先で把握しているもの
基礎控除、社会保険料控除

・「扶養控除等申告書」の提出が必要なもの
配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除

・「保険料控除申告書」と「各種控除証明書」の提出が必要なもの
配偶者特別控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除

・「住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅ローンの年末残高証明書」の提出が必要なもの
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

※住宅ローン控除は1年目は年末調整できず、確定申告の必要があります。

どの控除が利用でき、いくら税金を節税できるかは、人それぞれ違います。各種控除証明書とともに申告書を勤務先に提出することで、正しい所得税を計算し直すのが年末調整です。

なお、住民税に関しては、所得税の計算方法と同じステップです。所得控除の金額は所得税と住民税で異なるものもあります。例えば、扶養控除(一般の扶養親族)は所得税では38万円に対し、住民税では33万円です。住民税率は所得税率にかかわらず一律10%となっています。