2023年に日本国内で放送・配信されたドラマで、評価するべき俳優はだれか。ドラマ偏愛コラムニストの吉田潮さんが作成した「2023年俳優ランキング」を紹介する。第1回は男性部門ベスト10――。(第1回/全3回)
三つのトロフィー
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意外な俳優が入った今年のランキング

今年もやります、超主観&偏向的「ベスト俳優ランキング2023」。

項目をより細かくしてみた。

「物語を牽引または人間的に魅力と余白のある主演」、「展開に必要不可欠な名脇役」、「目を閉じても思い浮かぶ名場面の担い手」、「観る者の感情を揺さぶる名演技」、「リアリティある役作り」のほか、出演作品のうち評価すべき作品数も点数に加えてみた。

点数をつけてみると、意外な人が浮上したり、同点が並んだりで大混乱(最終的には感覚で選んだ)。まずは男性部門から。

【図表1】超主観&偏向的「ベスト俳優ランキング2023」男性編

「森山をもっと観たい」

10位 森山未來 33点

逃亡犯からまっとうな父ちゃんまで七変化の魅力

実は、のっけから同点が3人並んで悩んだ。

「離婚しようよ」(Netflix)で小泉進次郎ばりのポンコツ議員を体現した松坂桃李と、「VIVANT」(TBS)と「ダ・カーポしませんか?」(テレ東)で安定のクズっぷり&死にっぷりを披露した迫田孝也だ。が、森山の多彩な役どころが秀でていたので、代表で10位に。

「パリピ孔明」(フジ)では元ミュージシャンで三国志好きなクラブオーナー役。「教場0」(フジ)では主人公の目を千枚通しで刺した逃亡犯役。どちらも迫力と説得力があり、「森山をもっと観たい」と思わせた。

さらにNHKスペシャルで宗教2世の苦悩を描いた「神の子はつぶやく」では、主人公の父親役。

妻が妄信する宗教を否定はせず、娘たちには“主語のある人生”を教えたまっとうな父ちゃん。家族が困窮した責任を放棄せず、働き通しの真面目な男の最期にはむせび泣いた。