1位は大河で狂気の秀吉を演じたあの俳優

2位 大東駿介 46点

唯一無二の小物感、年末に急浮上の理由は「インチキ」

悪事がバレたときには「目が泳ぐ」。大東の場合、目が据わる。と同時に自己保身で言い訳を垂れ流す演技が抜群に面白い。「心霊内科医 稲生知性」(フジ)では不倫相手と妻の霊に憑りつかれたクズ男役、「らんまん」では酒飲みの元志士役。「浮気・暴言・暴力・酒・借金」を絡ませたら日本一の俳優だ。

ただ、「仮想儀礼」(NHK BS)での功績が最も大きい。

都庁のエリート職員(青柳翔)と意気投合し、作家へ転向させてタッグを組もうと誘ったものの、自身は女性問題で会社を解雇されてホームレスという役どころだ。

中卒だが、人たらしの才能に秀でて、世渡りしてきた風来坊。無職のふたりは生活のために、宗教を作ることに。もちろんデタラメな教義のインチキ宗教だが、人々の悩みを聞く究極のサービス業として思わぬ方向へ…という物語。

大東が演じるのは世間体や常識に囚われない自由人。無邪気な笑顔と根拠なき熱意は魅力的。クズ男も秀逸だが、人たらしの破壊力も師走にかけこみで発揮したと思う。

1位 ムロツヨシ 53点

狂気と柔和を行き来する八面六臂ろっぴの活躍

日本映画テレビプロデューサー協会が開催した「第42回エランドール賞」で新人賞を受賞し、授賞式に出席したムロツヨシさん(東京都新宿区の京王プラザホテル)=2018年2月1日
写真=時事通信フォト
日本映画テレビプロデューサー協会が開催した「第42回エランドール賞」で新人賞を受賞し、授賞式に出席したムロツヨシさん(東京都新宿区の京王プラザホテル)=2018年2月1日

今年すでにムロ記事を書いたので、ご参考までに。

今年は大河ドラマ「どうする家康」の他、「星降る夜に」(テレ朝)で妻を失った喪失感で逆恨みする男の役、「うちの弁護士は手がかかる」(フジ)でも主演を務めた。非情で抜け目ない策士、自暴自棄の狂気、柔和で辣腕らつわんな下僕と多彩な表情は堂々の1位に。

そうそう、最後に新人賞を。朝ドラ「ブギウギ」で六郎を演じた黒崎煌代の演技力には末恐ろしいものがあったので、ランク外だが授けておこう。

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