度数が高いお酒はカロリーも高い

糖質ゼロのお酒で一時的に血糖値を上げなかったとしても、中性脂肪は減りません。むしろ、糖質ゼロのウイスキーやウォッカなどの蒸留酒は“アルコール度数が高い”という落とし穴があります。お酒はれっきとしたエネルギー源で、純アルコール量1g当たり7.1kcal分のエネルギーを持ちます(なんと、1g当たり約4kcalの糖質より高い!)。だから、アルコール度数が高いお酒こそ注意すべき。ハイボールはビールよりもむしろ太りやすいお酒なのです。

お酒を飲むと体がカッと熱くなるように、お酒はエネルギーとして使われる「食事誘発性体熱産生(DIT)」が高い食品といわれます。しかし、エネルギーとして使われるのは全体の約2割。残りは、脂肪として蓄積されやすいエネルギー源です。つまり、お酒は飲んでも勝手に代謝されるから、“摂取カロリーがゼロで太らない”という理論は大間違いなのです。

中性脂肪とアセトアルデヒドのダブルパンチ

おつまみはアルコール分のカロリーに単純に加算されるので、食べすぎはもちろん太る原因です。お酒を飲むと食欲が増進されて、食べすぎやすいことも注意です。とはいえ、おつまみなしで飲むと血中アルコール濃度が急激に上がるだけでなく、胃腸の粘膜を荒らすことに。さらに飲酒スピードが上がって、結果的に飲酒量が増えやすくもなります。だから、太らないために減らすべきはおつまみではなく“お酒”です。

お酒の害というと、肝臓で代謝する際に出る「アセトアルデヒド」という有害物質について耳にすることが多いかもしれません。しかし、アルコールの摂取によって体に中性脂肪が増えると、肝臓は粛々とその脂肪を肝細胞にも蓄積していきます。これが「脂肪肝」。アセトアルデヒドの害とのダブルパンチで著しく肝機能を低下させることも知っておいてほしい事実です。