「簡単な英語なのにネイティブが話している意味がわからない」となる原因は何なのか。英語講師・英語インフルエンサーのMayuさんは「ネイティブが実際に使っている英語は、私たちが中学で習うものばかりだ。会話を理解する近道は、毎日使う動詞の“コアイメージ”を覚えることだ」という――。

※本稿は、Mayu、Forrest Baker(著)、nankaiine(イラスト)『パパッと頭に入る 英語の動詞図鑑』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

吹き出しの形をした板を持つ人々
写真=iStock.com/filadendron
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簡単な英語なのに話している意味がわからない

Hi, everyone! Mayuです! 私は、日本で生まれ育ったのですが、小さい頃から洋楽が大好きで、英語はずっと得意科目でした。しかし、高校3年生で初めてアメリカに留学した際に、日本で習った知識や当時の教科書に載っていた英語と、現地の人が話している英語にはギャップがあることに気がつきました。例えば、以下の英文、意味がわかりますか?

We're gonna go to the bar later. Are you in?
At my old job, I didn't even have weekends off.
Go for your dream job.

単語は中学で習う簡単なものばかりですよね。ただ太字あたり(動詞や副詞・前置詞)の意味を掴みづらくありませんか? このように、「簡単な英語なのにネイティブが話している意味がわからない」となることが私もよくありました。①は「後でバーに行くんだけど、来る?」、②は「前の仕事では、週末でさえ休みがなかった」、③は「なりたい職業のために頑張りなよ」という意味です。

私が留学して一番驚いたのは、ネイティブが実際に使っている英語は、私たちが中学で習うものばかりだったことです。渡航前は、必死に英検1級に出てくる難しい単語を勉強していました。でも現地の英語をよくよく聞いてみると、意外にも、ネイティブが使っている英語は、私がすべて知っているはずの簡単な単語で構成されていました。

英会話の軸は「動詞」にある

そして一番大事なのが、英会話の軸は動詞であるということです。動詞は、動作・状態・存在を表す最もエネルギッシュな品詞で、生きている英語を話すには不可欠な存在です。時制や話し手の意図も含むし、文章の口調や丁寧さを表現できるのも動詞です。とにかく「誰がどうする」かが伝われば、大体のことが伝わりますし、過去・現在・未来などの時制も反表現できます。

例えば、日本語の「食う、食べる、召し上がる」のように、英語も“chow down, eat, dine” という表現がそれぞれあります。全部同じ「食べ物を消化する」という意味ですが、ニュアンスが違うので使うシーンは全く異なります。こういうニュアンスの違いは、あまり学校や教科書では勉強できません。私が留学したときに話してた英語は、いわゆる論文よりのかしこまった遠回しの表現が多かったように思います。

以下は、どちらが日常でネイティブがよく使う英語でしょうか。

I need to search for my phone. VS  I need to look for my phone.

携帯がない! 探さなきゃ!

I postponed doing my homework. VS  I put off doing my homework.

宿題を後回しにした。

答えは後者です。後者は中学生で習うような表現を組み合わせてるだけですが、これがシンプルで誰もが理解でき、本当にネイティブがよく使うカジュアルな英語です。前者は、日常英会話で使うような英語よりは、文章で読むような堅い英語の印象です。後者のような減を使いこなすには単純に各単語の定義を知るだけでなく、動詞自体の使い方、そして句動詞や慣用句を学ぶ必要があります。