欧米は“中国外し”政策を打ち出しているが…
EV分野では、欧州委員会が中国政府のEV生産支援政策が競争をゆがめていると判断し、調査を開始した。フランス政府はEV購入に補助金を出す制度を改定し、中国で生産された車種を対象外とする方針だ。
欧州委員会が中国製のEVに制裁関税をかけ、貿易戦争の様相が鮮明となることも考えられる。12月1日、米財務省は中国産の材料を用いたEVを税制優遇策の対象外にすると発表した。2024年から車載用のバッテリー部品、2025年からはニッケルやリチウムなどのレアメタルが対象になる予定だ。他の分野でも、自国内で、自国のヒト・モノ・カネを用いて生産を行うよう企業に要請を強める国は増える。
当面、中国のデフレ圧力は高まり、景気低迷は避けられない。より多くの需要を求め、海外進出戦略を強化する中国企業は増える。進出先の企業、地域社会、政府との摩擦が熱を帯びる恐れは高まる。それは世界経済の安定と成長にマイナスだ。