主食の割合は自治体が決めている

「献立計画」が定まったら、次は「献立構成」に着手します。

献立の構成とは何を指すのかというと、自治体が定めたルールに沿った内容になるよう、献立を整えてゆく作業のことです。

主食となるごはん・パン・麺の登場回数や頻度はルールに合致しているか。調理法が献立内で重複していないか。洋食、中華、和食の回数のバランスはとれているか。栄養は基準値を満たしているか。

そうしたあらゆる観点から献立をチェックしてゆくのがこの段階です。理想と楽しさを追求していた献立計画を、現実に落とし込んでゆく作業とも言えます。

ルールの大本となる考え方は、学校給食法にて「学校給食の目標」として提示されているので、第4章で詳しくご紹介します。

この目標を具現化するため、各自治体で具体的なルールが定められています。

たとえば私が勤務している文京区では、10日間サイクルで、ごはん6.5回、パン2回、麺1.5回を組み合わせていく必要があります。これは「学校給食の標準食品構成表*1」(以下、「標準食品構成表」)という基準量に基づいて決められたものです。

(*1─―さまざまな食品の1カ月間の摂取目標量を、1回あたりの数値に換算し、一覧にした表のこと。児童生徒が各栄養素をバランスよく摂取しつつ、多様な食に触れられるようにすることがねらい。「児童又は生徒一人一回当たりの学校給食摂取基準」を踏まえて作成されている。)

いまの給食でパンは週1回のみ

この場合の10日間とは、土日を含まない月~金の2週間ぶんです。つまり、ごはんは週3~4回、パンは週に1回は必ず給食に出して、麺は2週間に1~2回、ということになります。

給食
写真=iStock.com/Milatas
※写真はイメージです

主食の回数については、献立計画を立てている段階からなるべく意識をしています。「子どもたちは麺類が好きだから、回数を増やしてあげたい」という気持ちはあっても実際にはそうできないのは、「標準食品構成表」をもとにした自治体のルールに従っているからなのです。その少ない登場機会にラーメン、うどん、パスタがバランスよく供されるよう、献立をチェックしていきます。

主食だけでなくほかの食材についても、「何をどれだけ食べなくてはいけないか」が決まっています。「標準食品構成表」の「牛乳」から「油脂類」までの項目、それぞれで充足率100%を目指さなくてはいけません。

昔は給食といえば毎日のようにパンが出たものですが、このように今やパンの登場回数は激減し、週1回へと変化しています(米どころなど一部地域では米飯を推進していて、もっと回数の少ない場合もあります)。