ジーンズを着たままシャワーを浴びてみると…
奇妙にも感じられるシャワーでの洗濯だが、予想外に実用的なのかもしれない。実践してみた、というデニムファンたちは、納得の表情だ。
25歳女性のエリカ・カーデナさんと31歳男性のネイサン・カツキさんは、米CBS傘下のニュースメディア「インサイド・エディション」に出演し、ジーンズを着たままシャワーを浴びる様子を実演してみせた。
それぞれシャワーの下に立った2人は、ずっしりと濡れたデニムの上から、両手のひらでソープを染みこませ、デニムの表面を撫でるように洗ってゆく。
洗うのはたやすいが、最大の難所はシャワーの後、濡れて身体に張り付いたジーンズを脱ぐところだ。やや苦労したエリカさんだが、山場を乗り越えればあとは単純だ。通常の手洗いと同様、絞ってから形を整え、室内で自然乾燥させる。
同様にシャワー中に洗濯を済ませたネイサンさんは、「最初は半信半疑だったけれど、実際に洗ってみてきれいになったことが分かりました」と語る。「たぶん、またやると思います」と気に入った様子だ。
リーバイスCEOの「洗ってはいけない」発言の真意
洗濯機を使わないこの方法は、ドラム内で繊維同士が過剰に触れあい、摩耗することを防止する。ジーンズの耐久性にとってプラスになる。もっとも、バーグ氏は、2014年の発言当時、ファンに特定の洗い方を強要する意図はなかったという。
バーグ氏はLinkedInの投稿を通じ、意図を補足している。発言はあくまで「自身の」ジーンズについてだったが、各メディアが「リーバイスCEO、『あなたのジーンズを洗ってはならない』と発言」など曲解した見出しで取り上げたことで、世界的な話題になったという。
また、バーグ氏のねらいは、ジーンズのダメージ防止だけではなかったという。発言の場となった2014年のカンファレンスは、持続可能性をテーマにしていた。その文脈のなかで、1日はくたびに毎回洗うなどあまりに頻繁な洗濯を避けることで、水の使用量を削減できると訴えたかった――とバーグ氏は述べている。
天日干しや風当てでも「洗濯」になる
かなり極端な“シャワー洗濯術”は、万人に受け入れられないかもしれない。だが、ほかにもジーンズに関しては、長持ちさせるケアの方法が編み出されてきた。
日光による消毒もそのひとつだ。ニュースメディアのインディ100によると、ジーンズを洗わずに手入れできる方法として、リーバイス社が推奨しているという。洗濯するまでもないが、ニオイが気になる場合、外に干しておくだけでもかなり改善するようだ。