専門家たちは、こうしてデニムを日光と暖かい空気にさらすことで、微生物の分解を促進すると説明している。ただし、色落ちを避けたい場合は直射日光を避けるとよいようだ。
バスタブでの手洗いを勧める専門家もいる。ニューヨーク・タイムズ紙の商品レビュー部門であるワイヤーカッターによると、メンズウェアのボノボス社でデザイン担当副社長を務めるヘーゼル・モーリー氏もこの方法を支持している。
新品同様のダークな色合いを維持するために有効なのだという。水を張ったバスタブで、裏返しにして手洗いし、色落ちを避けるために裏返しのまま干すようモーリー氏は勧めている。
コツは裏返しと自然乾燥
さほどこだわりが強くないジーンズであれば、利便性を優先して洗濯機を使いたいケースもあるだろう。その場合も裏返しのまま洗濯機に入れ、裏返しのまま干すのが定石だ。裏返しにすることで、ジーンズの外側の繊維を保護することができる。
英エクスプレス紙によると、有力洗剤ブランド「バニッシュ」の専門家は、ダークな風合いを保つうえでも裏返しが有効だとアドバイスしている。色あせのリスクをさらに減らすためには、温水での洗濯は避け、回転が比較的穏やかなモードを使用することを勧めている。
乾燥機はおすすめできないが、ごく短時間ならアリとする考え方もある。ボノボスのモーリー副社長は、ワイヤーカッターに対し、乾燥機が衣類にダメージを与える可能性があると強調している。
そのうえでモーリー氏は、自然乾燥によってジーンズが非常に硬くなってしまった場合、低温に設定した乾燥機に10分間ほど放り込んで柔らかくする手法を披露している。高温では熱で繊維が縮んでしまうため、あくまで低温・短時間がポイントだ。
洗濯で縮んでしまったら…
洗濯後にうっかり縮んでしまっても、まだ救いの手はある。ハウスクリーニング会社「FreshSpaceCleaning.com」のウィル・コッターCOOが米FOXニュースに語ったところによると、ヘアコンディショナーを入れたぬるま湯に浸すと繊維がほぐれやすい。
もっとも、こうしたアドバイスは一般的なジーンズに関するものだ。未洗濯の風合いを楽しむ「生デニム」の場合、とくに繊細であることから、洗濯機は御法度だ。メンズウェア「レフトフィールドNYC」の創業者であるクリスチャン・マッキャン氏は、ワイヤーカッターの取材に応じ、生デニムは少なくとも30回は着用した後、中性洗剤を使い、裏返しのまま手洗いすることを勧めている。