「洗う・洗わない論争」はジーンズの奥深さを示している
では、洗濯の頻度という面では、正解はあるのだろうか。CNBCはアメリカでは毎回の着用ごとに洗う家庭が多いと述べているが、専門家の多くは、これは洗いすぎだと指摘する。FreshSpaceCleaning.comのウィル・コッターCOOはFOXニュースに対し、見た目がきれいでニオイもなければ、何度も繰り返しはくよう提言している。
デニムは想像以上に繊細だ。洗濯回数を抑える意味で、数十回ははいてから洗うよう指南する専門家もいる。オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙によると、リーバイスのデザイン・ディレクターであるポール・オニール氏は、ジーンズは「30~50回着用する」たびに常温の水で洗濯するよう勧めている。
もっとも、万人に当てはまるルールは存在しない。デニムに特化した豪ニュースレター「ジーン・オン・ジーンズ」を主催するスタイリストのジーン・ハーマン氏は、オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙に対し、「私はジーンズを洗います。毎回ではありませんが、小さな子供がいると、食べ物のシミや遊び場の汚れで洗濯が必要になることがよくあります」と述べている。神経質に一般論を追いかける必要はなく、最終的には自分が快適に感じられる頻度で洗濯することが肝要だ。
着用したままシャワーで洗濯したり、外気にさらすだけで“洗濯”としたり、50回はくまで洗わなかったりと、ジーンズとの向き合い方は人それぞれだ。手入れの方法は、カジュアルながら奥深いジーンズの世界を象徴しているのかもしれない。