「肉体関係がないから不倫ではない」は通用するのか
これまでであれば「肉体関係がないから不倫ではない」というエクスキューズが司法の場でも主張できたセカンド・パートナーだが、司法の場も世相が大きく反映されるものだ。
もしかすると、既婚者が「肉体関係のないセカンド・パートナーだ」と大っぴらに語ることで、その関係は、「不倫に準じたもの」という解釈が出てくるかもしれない。
事実、今でもネット上の声をみると、「セカンド・パートナー=不倫」という文脈で用いられている節がある。
今後、セカンド・パートナーとは現在の不倫同様、水面下に潜って行う関係になるのではないだろうか。
そうするとこの関係は「不倫の前段階」といった意味合いを帯びてくる。
「セカパ」関係にある人たちの間で、「わたしたちの関係は不倫ではないよね――」という、いわば慰めの文脈で用いる言葉として残っていくものと予測される。
ときに、「浮輪」になぞらえられるこの関係だが、水面下では浮輪が用いられないのと同じく、たとえセカンド・パートナーであったにせよ、これからの時代、不倫同様、浮輪なしで「バレる」という名のリスクを泳ぎ切る度量が求められよう。
不倫と同じく、溺れたと思われてはいけないといったところか。