海外で働くために必要な語学力とはどんなものか。アメリカで働く会社員のUS生活&旅行さんは「最初に渡米したときは英語がほとんどしゃべれなかったが、だんだんと会話ができるようになった。重要なのは文法の正しさではなく、単語の発音だ」という――。

※本稿は、US生活&旅行『底辺駐在員がアメリカで学んだ ギリギリ消耗しない生き方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

マクドナルド
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ホストファミリーが何を言っているのか聞き取れなかった

私の英語は、37歳になった現在でも大概ひどいものですが、28歳で渡米した当初は、本当に英語が口から出てこない状態でした。

ホームステイ先に到着してホストと顔を合わせ、「Hello」と言ってからは愛想笑いと苦笑いに終始し、「Yes」と「No」、または名詞のみで質問に答えるのが精一杯。話す以前に、会話が速過ぎて言葉を聞き取ることができないのです。

渡米前に勉強に使っていたリスニング教材のように、アナウンサーばりのきれいな発音で、ゆっくり丁寧に話してくれる人はどこにもいません。

会話のスピードに慣れること。それが、最初の関門でございました。

語学学校では初日に簡単なテストを実施してレベル別のクラス分けがあり、当然ながら、私はいちばん下のクラスでございました。

同じクラスにはアジア、南米、欧州から来た10代~50代の男女がおり、上位クラスは若い人が多く、いちばん下のクラスは年齢層が高めです。

個人事業を展開するために米国にやって来たものの、英語ができないので勉強をしに来た社長さん、夫の米国駐在に同行し、日中は時間があるので英語を勉強しに来たおばさまなどがいる中で、28歳の私は超若手。

それはそれでショックなことですが、自分と同じくらい英語ができない人たちがいると思うと、「何とかなる」と勇気づけられた思いがしたものです。