過度な断食は「手足が細くてポッコリお腹」になる

食生活や睡眠、運動などによってオートファジーを高める習慣を早くから身につけていると健康寿命も延ばせると考えられます。

1、食事――一日三食、腹八分、寝る間際は食べない

何をどのように食べるべきかは、第2回記事〈「ペットボトルのお茶」は濃いものを選ぶ…オートファジーで細胞から若返る「最強の食事術」8つのコツ〉を参照してください。

まず、大前提として、カロリーを制限すればオートファジーの働きが活性化して健康寿命が延びます。カロリー制限の方法は問いません。一定期間の総カロリーを抑えればオートファジーは活性化します。

ただ、現実的に働き盛りだったり、育児や介護で忙しかったりする中高年の方々にとっては極端なカロリー制限は必要な栄養が不足するリスクもあります。「一日三食、腹八分」がよいでしょう。

食べなければオートファジーは活性化しますが、どのくらいの期間、食事を抜けば効果的かはわかりません。むしろ、極端な断食は筋肉を細くします。過度な断食を続けると、「手足が細くてお腹がポッコリ」のスタイルになる可能性が高いです。これでは本末転倒ですね。

お腹の脂肪
写真=iStock.com/towfiqu ahamed
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揚げものや肉の脂身はできるだけ避ける

もちろん、働いている人でしたら会食や飲み会で食べ過ぎてしまう時もあると思います。そういう時は一食抜いたり、軽めに食べたりすることで調整して問題ありません。また、夕食はなるべく早めに食べて、満腹状態で眠らないことを心掛けましょう。

食べることでオートファジーは一時的に下がります。睡眠時には上がりますので、オートファジーをより活性化させるためにも寝る間際に食べるのを控えた方がいいでしょう。

2、高脂肪食は食べない

脂っこいものを食べるとオートファジーの働きが悪くなり、脂肪肝になります。高脂肪食はオートファジーの観点からも控えましょう。

具体的にはフライや肉の脂身などの「油」です。オリーブ油にはオートファジーを活性化させる成分が含まれるものの、動物性、植物性を問わず油はオートファジーの働きを減らします。

ただ、油は体のエネルギーや細胞の材料にもなりますので、完全にカットするなど極端な方法はやめましょう。

3、睡眠――夜にしっかり寝る

睡眠はオートファジーを高めますが、重要なのは夜しっかり眠ることです。

オートファジーは睡眠時間というよりも、サーカディアンリズムに制御されます。睡眠や血圧、体温などは人が生まれながらにしてもっている体内時計のリズムによって変動します。昼寝ではなく、夜寝ることが重要になります。