女性と男性では婚活する動機が違う
そもそも40代後半にもなって、再び「結婚」を目指すことになるとは思わなかった。
子どもは成人している。仕事は途切れなくある。気のおけない友人もいる。
それならばなぜ婚活を始めたのか。
ひとことで言うなら「人生のやり直し」をしたかったからだ。今までは妻として母として、また社会人として生きてきた。これからは一人の女性として誰かと関わっていきたい。甘ったれたように感じるかもしれないが、たぶんこれは、経済力のある独身女性や、子どもの手が離れた再婚希望の女性たちの共通の願いだと思う。
しかし、男性が婚活する動機は違うようだ。
私の婚活バイブル『57歳で婚活したらすごかった』(新潮新書)の著者・石神賢介さんは、本の冒頭で、〈心のどこかにいつも、もの寂しさを感じていた〉〈誰かと一緒にいたい〉〈愛する女性と手を携えて生きていきたい〉と述べている。
男性は「一人でいること」に寂しさを感じる
婚活の場で出会う40代、50代の男性たちも、婚姻歴の有無にかかわらず、しばしば「寂しい」と口にする。
「家に帰って、自分で電気をつける時が寂しい」
「一人で晩ごはんを食べると虚しい」
男性は「一人でいること」に寂しさを感じる。言い換えると「結婚すると寂しさを感じにくい」ということだ。私が出会った中には妻と離婚して1週間もたたないうちに、婚活をスタートさせたという男性もいた。
私は成人した娘と同居していることが大きいのかもしれないが、離婚してからあまり寂しいと感じたことはない。周囲にいるいわゆる「おひとりさまの女性たち」も寂しいそぶりは見せない。
もちろん、女性だって寂しさを感じることはある。でもそれは一人でいる時よりも、むしろ相手がいるけれど「相手が自分を理解しようとしてくれなかった時」ではないだろうか。だから女性は、離婚してすぐ婚活、そしてそのまま再婚へ一気に突き進む人は少数派という気がする。