「キャバクラ、風俗には行きません。真剣に恋人を探している」

年は42歳、年収600万円はアプリ事務局の証明済み(男性のみ収入証明ができる)。以下は自己申告になるが、会社員、タバコは吸わない、お酒も飲まない。身長は175センチ。婚姻歴なしの独身。10枚近く並んだプロフィール写真を見ると、髪は長く、ところどころ金色に染められていて、いかにも遊んでいそうな風貌だった。

だが、仕事のかたわらでバンドをしているらしく、ドラムをたたく写真は確かにかっこよく見える。そして自己紹介文がとても丁寧。「キャバクラ、風俗には行きません。真剣に恋人を探している」というトーンだった。これが女性の胸を打つのかもしれない。

ステージのドラマーの背後から
写真=iStock.com/Mumemories
※写真はイメージです

そんな和馬さんが私のプロフィールに何度も「あしあと」を残す。同じ日に3度目の「あしあと」を残してくれた時、私は彼に「いいね!」を押してみた。すると即「いいね!」が返ってきて、あっさりマッチング。

その直後、〈いいね! ありがとうございます〉と和馬さんからメッセージがあった。

〈声が聞きたいです〉〈通話してみますか〉

私が〈初めてマッチングしたので何を書けばいいのかわからない〉と返信すると、

和馬さんから〈俺が初めてってことですか??〉という言葉と驚きの絵文字が送られてきた。続いて時事ネタがテーマの返信。少しそれでやりとりし、〈いえ、カタイ話がしたいわけではなくて……笑〉と私が送ると、

〈男と女の話がしたいですか⁉〉

という一言が返ってきた。“男と女の話”ってなんだろうと戸惑っていると、この後、〈声が聞きたいです〉〈通話してみますか〉など、次々にメッセージが。やっぱりただの遊び人かと思い、〈また明日〉とメッセージを送って切ろうとした。すると意外にも〈また明日(^^)〉と、さわやかな返信。一瞬、かわいいと思ってしまう。けれども次の日、やっぱりこの人とメッセージ交換を続けるのはどうだろうと疑問に感じ、私はこんな試しのメッセージを送った。

〈和馬さんは、遊べる相手を探しているんですよね? 私は真面目に婚活しているので、もし難しかったらブロックしてほしいんです〉

アプリ上でどちらかがブロックすると、相手には「退会マーク」が表示され、もうその人の写真やプロフィールを見ることができない。もちろんメッセージも送れなくなる。