合格ラインギリギリを達成しても、落ちる

ここまで、大学受験や資格試験のような、目標を数値化しやすい勉強についてお話ししますが、「合格ライン」がはっきりしているものは、当然、その合格ラインをクリアできる学力をつけることが目標になります。

しかし、「合格ラインギリギリの点数」を目標にするのは危険すぎます。

なぜか。本番では、何が起こるかわからないからです。

理論上は「合格最低点を超えさえすれば合格」ですから、合格最低点を目標とするのが、もっともコストパフォーマンスのいい目標設定のような気がするかもしれません。しかし、これは誤りです。なぜなら、そのとおりに行かないことのほうが圧倒的に多いからです。

たとえば、本番でミスをして得点が下ブレするパターン。「いつもはちゃんと解けるのに」という言い訳は通用しませんし、後悔してもあとの祭りです。

合格点ギリギリを取れる実力だと、本番で少しでもミスをしたとたんに合格点を下回り、あと少しのところで涙を呑むことになってしまう……。こういうことが起こりやすくなるのです。

「OK」「NG」と書かれたブロック
写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
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目指すべきは「合格平均点」

これらのミスを織り込んで考えると、

「点数に余裕をもたせ、それでいて厳しすぎない」

というのが目指すべき目標の大枠になってきます。

たとえば、受験でいうと「合格平均点」です。合格平均点を目指すというのは、ある程度余裕をもって合格することを目指すことであり、これで先ほどの「目標ラインがギリギリすぎる」という不安は解消されます。

目的は「試験・検定に合格すること」にあるので、わざわざトップを狙う必要はなく「合格者の群に無難に収まる」ことを目指したほうが賢明です。

また、合格平均点くらいを得点できるようになっておくと、本番での保険がききます。多少のミスをしても合格最低点はクリアできるほどの余裕が生まれます。

もちろんノーミスで試験を乗り切るのが一番なのですが、合格平均点を安定して得点できる状態であれば、ミスが原因で合格圏内から漏れることはほぼないでしょう。

しかし、当日のコンディションによって点数はいくらでもブレるものです。

「体調が悪くていつもより10点、20点下だった……」

これもよく聞く話です。自分がベストな状態で試験本番に臨めるよう、体調管理には常に気を配りましょう。

僕は東大入試において目標点を360点に設定しました。これも、合格者平均点が310点~340点台で推移していることをふまえてのものです。