上司の上司に相談するには

最終手段が、上司の上司に相談することです。非があっても反省して改めようとせず、部下に責任を押し付けていることを示す、具体的な事例を集め、できるだけ感情的にならずに伝えるようにします。

この時も、自分1人ではなく複数の仲間と訴えること、記録に残しておいた証拠を用意しておくこと、上司を責め立てるのではなく、「私たちも上司をサポートしようと頑張っているが、どうにもうまくいかず困っている」という姿勢で伝えるなどの、工夫が必要です。

自分の非を認めない上司は、部下の手柄を自分の手柄のように見せていたり、ミスを部下のせいにしたりして、上役に評価されてきた可能性があります。また、無理な仕事を取ってきて、部下に押し付けながら実績を上げてきたことも考えられます。会社にとっては、実態がどうであれ、「仕事をたくさん取ってくる有能な社員」に見えている可能性があるのです。それを覆すためには、証拠を示すとともに、どれだけ複数の部下が困っているかを伝える必要があるでしょう。

自分の非を認められないと、自分のやり方を改善したり、成長したりすることができません。また、自分の非を部下のせいにするというのは、パワハラにもつながりますし、上司としての資質に欠けているといえます。ですから本来は、会社としてこうした人物を上司となる地位につけるのは、組織としてマイナスになるはず。なかなか簡単なことではないかもしれませんが、そういったことを理解してくれる人を探して、訴えることを考えてほしいと思います。

(構成=池田純子)
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