日本の禁輸措置が中国の半導体国産化を阻む
だが、中国の半導体国産化の道程は、けっして簡単ではないようだ。
日本は2023年7月から半導体製造設備領域23品目の対中禁輸を実施しているが、米国以上に、この日本の対応が、中国の半導体国産化の道を阻むだろう。
この措置を日本政府が発表した1週間後の5月31日、中国のウェハファブ業界関係者が中国メディアに語ったところでは、多くの業界人が、この日本の禁輸措置に呆然としており、日本製設備に巨大なリスクが潜んでいることを改めて意識したという。
米国の半導体禁輸に対し、業界はすでにリスク評価をしてきたが、日本製品についてはリスク評価が進んでいなかった。むしろ米国製から日本製、韓国製設備に切り替えたり、海外の中古市場で日本製半導体設備を購入するといった動きに出ていた。
中国は、日本がそこまでやるとは想定していなかったのだ。
「日本の措置がショックを与える」
中国は世界最大の半導体市場であり、日本の半導体産業にとっては最大の輸出市場だ。
日本の半導体産業は生産設備と原材料において優勢であり、この分野の毎年の対中輸出額は100億ドルを超えている。
端子やチップの設計と比較すると、チップ製造(ファブリケーション)は中国半導体産業が苦手とする分野だ。
日本企業中国研究院執行院長の陳言は「今回の輸出規制は最も厳格で全面的なものだ。米国の対中エンティティリストなどに基づく輸出規制措置と比べると、日本の措置は業界発展の根本にさらにショックを与えるものだ。なぜなら米国企業はチップ設計と完成品の輸出が主だが、日本企業はチップ製造設備・装置と原材料が得意だからだ」と言う。