「戦略的経済制裁」と受け止めた

実のところ、日本はずっと半導体分野の輸出管理政策を実施している。

日本はワッセナー・アレンジメント(通常兵器の輸出管理に関する協定)のメンバーであり、半導体製造装置について輸出管理に対応する必要があった。

ただ、北京市グローバル弁護士事務所上海パートナーの趙徳銘によれば、多くの薄膜蒸着装置など、大部分はワッセナー・アレンジメントのデュアルユース(軍民両用)アイテムリストにまだ含まれていないという。

今回の日本の半導体設備輸出管理政策は、ワッセナー・アレンジメントの枠組みを完全に超えており、中国は明らかな戦略的経済制裁と受け止めた。

メンテナンスにも制限

日本はEUと同様、日本国外で生産された製品に対する、厳格な意味での再輸出管理はないため、これが規制の隙間となっている。

中国企業にしてみれば、日本製の半導体製品が完全に入手不可能になったわけではなく、入手ルートが狭まっただけ、という見方もある。

だが、重要なのは、輸入後の製造装置のメンテナンスの問題だ。

日本の制裁は、過去に輸出した半導体製造装置のアフターサービス、メンテナンスも許可制という、非情なまでに厳しいものだ。

電子装置のテスト
写真=iStock.com/iantfoto
メンテナンスにも制限(※写真はイメージです)

日本のメーカーが許可証を申請し、日本政府の許可を得れば修理は可能だが、政府の判断基準は日本の国際政治上の立場や環境で随時変化すると見られる。

第三国から中古品を調達しても、修理に必要な部品が調達できないということになる。

中国企業、および輸出する日本企業の政治的、経済的な知恵が試されることになるだろう。