「性格診断」を取り入れたビジネスコンテンツが増えている。なぜいま「性格」なのか。心理学と統計学をミックスした方法で性格分析を行う「ディグラム診断」を提唱し、セブン‐イレブン限定書籍『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』を上梓したディグラム・ラボの木原誠太郎さんは「これからの時代、性格診断の手法を知っておくことはビジネスパーソンの必須要件になる」という──。(第1回/全2回)

マーケティング戦略に大きな変化が起きている

なぜいま、ビジネスシーンにおいて「性格診断」なのか。それには、多様化が進み、人々の行動様式が読みにくくなったことが背景としてあります。

マーケティングの歴史を振り返ってみると、そのことがよくわかります。

1970年代は、大量生産でモノを作れば売れる時代でした。冷蔵庫、テレビ、洗濯機が「三種の神器」とされ、誰も彼もがこぞって購入したものでした。

1980年代になると、顧客のターゲットを年代別にセグメント分けするようになりました。「F1層(20~34歳の女性)」「F2層(35~49歳の女性)」「F3層(50歳以上の女性)」といった分類は、マーケティングに関わったことがない方でも耳にしたことがあると思います。

赤いハートを持つ女性
写真=iStock.com/leonovo
※写真はイメージです

セグメントからペルソナへ

さらに1980年代には、糸井重里のキャッチコピー「おいしい生活」に代表されるように、「ライフスタイル」の提案をするマーケティングが登場し始めました。

木原誠太郎『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』(プレジデント社)
木原誠太郎『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』(プレジデント社)

その後、時代に合わせて「渋谷系」「アキバ系」など、「街」でターゲットをセグメントしたり、「新人類」「団塊ジュニア世代」「ゆとり世代」などと特定の「世代」でターゲットを分けるなど、セグメント化はどんどん進み、かつ細分化していきました。

こうして分類されたそれぞれの集団は、あくまで〈特徴を持った人たちのかたまり〉として考えられました。

2000年代になると、マーケティングにおけるターゲットがさらに細分化され、より「個」へと移ります。商品を開発したり販売したりするときに、「誰」に対して売るかを考えるようになったのです。

この「個」とは、いわゆる「ペルソナ」(マーケティング用語としては、サービス・商品の典型的なユーザー像のこと)ともいわれるものです。