本来の仕事で評価されることだけを考える
彼は内気すぎて、人の目を見て話すことも苦手でした。そこで私は彼に「おとなしい性格のままで営業に行きなさい。お客さまの目を見ないで下を向いて話しなさい」と指導しました。
最初のうちは彼も「いくらなんでもそれは……」と抵抗感を持っていましたが、私が何度も言うので、仕方なくやり始めました。
すると、お客さまからの紹介が増え始めて、最後はトップ営業になりました。
彼は内気ですから、当然、プライベートでのお客さまとの付き合いもありませんでした。それでも、どんどん紹介が舞い込むようになったのです。
彼が紹介されるときのお客さまの言葉がこれです。
「彼はおとなしいし営業らしくないんだけど、仕事は真面目でいつもこちらを気づかってくれるから信頼できる」
そう、彼はプライベートの付き合いなどはまったくしない代わりに、誰よりもお客さまの立場に立って、できる限りの気づかいをすることに集中していたのです。
そして、お客さまが困っていたらすぐに駆けつけ、相談に乗っていたのです。その意味ではまさに「付き合いのいい人」だったのです。
付き合いが悪いことに後ろめたさを感じる必要はありません。堂々と仕事だけに集中すればいいのです。