断るのは後ろめたいけど行きたくない
私は高校生のときに少しだけバスケットボール部に入っていたことがあります。
練習はハードで、終わるといつも水をがぶ飲みして気持ち悪くなっていました。先輩たちはそのあとラーメンを食べに行くのですが、私は誘われるたびに「気持ち悪くて食べられません」と断っていました。何度か断ると「おまえは付き合いが悪いな」と言われました。
そもそも部活が終わったあとまで人に気をつかいたくないというのが本音でした。さっさと帰って一人になりたかったのです。
社会人になってから、仕事帰りに先輩たちから飲みに誘われました。こちらは高校と違ってずっと付き合っていく人たちです。なので2回に1回くらいは行きました。もっとも、先輩たちは私のことを「付き合いの悪いヤツ」と思っていたことでしょう。
さて、営業の世界ではいまだに、「付き合いの良さこそが営業にとって重要なことだ」という考え方がはびこっているようです。
しかし、これはもはや幻想です。
どこの会社もコスト意識や透明性が求められているいま、「付き合いがあるから」というだけで仕事が発注されることはかなり減っています。
付き合いは悪いけど仕事はきちんとやる人
営業がお客さまを接待するという慣習も、度を超えると収賄になるので消えつつあります。会社の方針として接待や届け物は受けつけないというところもあります。
また、近年ではムリに付き合わせるのはハラスメントになりますし、コロナの影響もあって上司が部下を飲みに連れ回すことも減ったようです。
私としては好ましい環境になってきたと思っています。
大事なのは、付き合いが悪いことを自覚して、それでも成果を出すことを考えること。他の人が休日にゴルフに行ったりして親睦を深めているのなら、自分はどうすべきか。同じことをやろうとしても効果は期待できません。
私の作戦は、「付き合いは悪いけど仕事はきちんとやる人」という印象を与えること。
以前、私が営業を教えていた人に、とっても内気な男性がいました。
当初、彼は「明るい営業のフリ」を頑張ってしていたのですが、根がそうではないためにすぐにバレてしまい、売れずに悩んでいました。昔の私とまったく同じです。