一度検索すると関連動画を次々に“おすすめ”

TikTokで「処理水」と検索すると、「あなたにおすすめ」として「処理水」が色付きで強調表示される。同時に、その後は検索マークをタップするだけで「処理水」「処理水 中国」などの過去に検索したワードが一覧表示されるようになる。

「処理水」で検索した後の画面表示
写真提供=筆者
「処理水」で検索した後の画面表示

検索結果のページには「他の人はこちらも検索」としてさまざまな検索キーワードも表示される。筆者の場合、「中国 処理水 やばい」「中国 海洋放出」「海洋放出 ひろゆき」「処理水 海洋放出 危険」「原発処理水 海洋放出 危ない」「処理水 海洋放出 魚の異変」などが“おすすめ”された。

TikTokはアルゴリズムでユーザーの好みを分析しており、視聴した動画に類似した新たな動画を提供し続ける。筆者も、この記事の執筆のために関連ワードで検索を繰り返しているうちに、処理水動画が多く表示されるようになって閉口した。

まして子どもたちは、こうした動画を次々と見ているうちに、何が真実なのかわからなくなってしまうことは容易に想像できるだろう。ある10代のユーザーは「TikTok見てると最近結構な頻度で処理水関係の動画が流れてくる。見ていて悲しくなる」と投稿している。

エコーチェンバー現象が加速化する恐れも

このように、検索時にアルゴリズムでユーザーの見たい情報が優先的に表示され、見たくない情報が遮断されることを「フィルターバブル」というが、さらにこわいのが「エコーチェンバー現象」だ。SNSで自分と似た意見ばかり見聞きすることで、それが真実であり正しいことであると強く信じ込んでしまうことを指す。

実際、「処理水は汚染水なのになぜわからないのか。ここ(筆者注:TikTok)にこそ真実があるのになぜ気づかないのか。自分は魚はもう食べない」などと言い切っているTikTokユーザーを見かけた。このように考えが凝り固まるのは、TikTokを長時間使いすぎたためという可能性がある。

デマを好む人の元にはデマが優先的に表示されるようにできているため、TikTokを長く使えば使うほど、より一層デマに対して狂信的になってしまう恐れがあるのだ。