日本の対潜哨戒の能力は実は世界で一番高い。ですから、日本と、アメリカの海軍のアライアンスというものがどういうものかというと、アメリカは日本の哨戒能力を情報にして動いている、ということ。むしろ、自国の領域なのだから、自衛隊を送っても国際的にも何ら問題はない。

領海侵犯をして、警告したにもかかわらず退去しないと言うのならば、自衛のために撃沈すればいいだけの話であって、それで紛争が起こるというのならば、そのときに日本はアメリカとも協力して、しっかりと国を守ると。場合によっては日米安保も発動する。こうしっかり言ってやればよかったんだ。

かつて、安倍晋三君が総理大臣だったとき、シナがイチャモンをつけてきた。安倍君がそういうことにはこちらもちゃんと応えろ、と言ったら外務省がビビって「そんなこと言ったら、向こうは軍艦出してきますよ」と言った。実際に安倍君が「それなら日本も軍艦出す」と言ったら、蜘蛛の子散らすようにシューッと反論が消えていったんだ。

外務省は「時期尚早です」と言って載せなかった

自分の家を守るためには、私たちは体を張って戦争する。やるならやるぞ、としっかり言ってやらなきゃいけないんだ。シナが日本の実効支配をぶっ壊すと言って、どういう行動に出るのかはわかりませんが、それに備えるために国が動かないなら東京が率先して尖閣諸島を領有する、ということ。

――(野田数都議)都知事と沖縄の関係は長い歴史があるとお聞きしました。

先ほど指摘した沖縄返還のときもそうだが、40年ほど前、自民党の青嵐会で出資し合い、関西の学生有志らで魚釣島に灯台を建てた。裸電球をぶらさげただけの簡素なものだったけれど、海が時し化けて、あそこで風待ちをする地元の漁師なんかには非常に感謝されて、みんなで感動して帰ったものだ。

その後、昭和63(1988)年に、ありがたいことに、我々の活動に呼応して日本青年社が僕たちに灯台の建て直しをやらせてくれ、と言ってきた。灯台を建て直すにあたって、青年社の沖縄支部長が過労で亡くなったり、それはもう大変な思いをして建てたんだ。

立派な灯台が建って、水路部(旧運輸省)に現地へ確認に行ってもらって、「これで結構です。正式な灯台として登録できます」とお墨付きもいただいた。じゃあいざ海図に載せようと思ったら、海上保安庁は申請を受理したのにもかかわらず、外務省は「時期尚早です」と言って載せなかった。何の時期が尚早なのかまったくわからない。

野田数氏ら都議会議員による尖閣諸島視察(6月25日)。

僕は船に乗るからよくわかるのだが、灯台が光って機能しているのに、海図チャートに載っていない。これはかえって危険なことなのだ。特に暗礁が複雑に入り組んでいるあの辺りは余計に危ない。

最近はGPSというものが発達してきて、自分の船が今どこにいるのかわかるが、今まで何とか事故がなく済んだだけであって、あの頃は本当に危なかった。それを外務省は、あの辺りを渡航する地元の漁師や国民の命よりも、シナへのご機嫌取りを選んだ。こんな外交は許されることではない。