原因の多くは、週末に乱れた睡眠サイクル

誰にでも「今日は会社に行きたくない」と思う日があるでしょう。

そんなときはいっそ休んだ方がいいのか、それとも頑張って行ったほうがいいのか? 皆さんはどちらだと思いますか?

脳科学的には、「休んだ方がいいケースが多いが、休まずに行ったほうがいいケースも少なくない」となります。

私のクリニックにも、「会社に行くのがツラい」と相談に来る人が多いですが、ツラいと感じる理由を聞いた上で、休む・休まないを判断し、アドバイスしています。

月曜日の朝になると会社に行きたくなくなる、週明けになると仕事がイヤで会社を辞めたくなる……と訴える患者さんが一定数います。一人暮らしの若い人に多い相談です。

もちろん、深刻な原因があり、十分なケアが必要なケースもありますが、7割の人は生活パターンの乱れに原因があります。

本人は「上司との関係が悪いからだ」「会社との相性が最悪だから……」と不調の原因を挙げてきますが、じっくり話を聞くと、週末に睡眠のサイクルがずれており、それが月曜日の不調の原因となっている場合が多いのです。

目覚まし時計とベッド
写真=iStock.com/carlosgaw
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「時差ボケ」のような状態が月曜の朝をツラくする

実際、金曜や土曜日の夜に夜更かしをして、次の日は昼まで寝ているような生活を送れば睡眠のサイクルは崩れていきます。

そのまま日曜の夜になって「明日は会社だから」と早めに寝ようとしますが、当然眠くならないわけです。

結局、睡眠不足で月曜日の朝を迎えることになり、体はだるくて動かない……。自業自得にもかかわらず、「このダルさの原因はきっとストレスだ」と考えて、仕事や会社での人間関係などに原因を求めるのです。

原因を誤解するのは、寝不足で遅刻をしたり、ミスをすることが多いため、上司からの評価が下がり、その下がった状態をとらえて「自分は上司に嫌われている」と思い込んでいるからでもあります。

こうしたケースは、週末の生活パターンを立て直すだけで解決します。

週末に、あなたが引き起こした“時差ボケ”のような状態が、月曜日の朝をツラくさせているだけ──。

そう説明すると、不満げな表情になる人もいますが、実際に生活サイクルを整えると多くの人はツラさがだいぶ解消されます。

月曜日の朝になると、会社に行きたくないと感じる人は、週末の生活を見直してみることをお勧めします。

見直さないまま会社を休んでしまうと、ずるずると火曜日も水曜日も休み続けることになりかねないので、注意が必要です。