※本稿は、田中伸明『自分のやる気が上がるのは、どっち?』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
休みが長かった分、憂うつな気分も増す
週末の休日が終わる頃、ちょうど日曜日の夕方になると、「明日は仕事か……」と憂うつな気分になることがあります。
「サザエさん症候群」「ブルーマンデー症候群」と呼ばれる症状です。
この症状は学術的に裏付けのあるものではありませんが、多くの人が抱えていると見られ、休み明けは朝からやる気がしないと悩む人も少なくありません。
とくにゴールデンウィークやお盆休み、正月休みの後は、休みが長かった分、憂うつな気分も増すため、気持ちを切り替えて仕事に取りかかるのが難しくなります。
連休明けにやる気が出ない人は、次の2タイプのどちらかではないでしょうか。
②連休明けにストレスのある用件がある人
①の連休が充実していた人は、休みが楽しかった分、連休明けの日々への期待値が相対的に低くなるためモチベーションは上がりません。
②の連休明けに難しい仕事や人とのつき合いが入っている人は、それを乗り越えられるか不安であり、失敗することを想像してどんどん暗い気持ちになります。
①と②のいずれか、もしくは両方に該当している場合、連休最後の日の夜や休み明けの朝は憂鬱な気持ちに支配されることになります。
「休みの日」と「働く日」の関係を見直す
では、連休明けをやる気のある状態で迎えるには、どうしたらいいかを考えてみましょう。
例えば、最悪の連休を過ごすというのも1つの解決策になるかもしれません。
「早く会社が始まらないかな」「これなら仕事に行っている方が楽しいな」と思えるひどい休日をあえて演出していくのです。
とはいえ、それではせっかくの休みが台無しになってしまいますから、この方法は現実的ではありませんね。
まじめな提案としては、人生を長い時間軸でとらえて、「休みの日」と「働く日」の関係を見直すことをお勧めします。
どういうことかというと、1日単位で休みの日と働く日を捉えるのではなく、5年とか10年単位で考えてみるのです。
すると人生には懸命に働く繁忙期と、調子が悪くパッとしない閑散期があることに気づきます。
実際私も、30代までは医師としてコンサルタントとして、しゃにむに仕事をしていました。
しかし、その後ベンチャーの起ち上げに参画していた40歳のときに大腸がんになり、強制的に自分の生き方を見つめ直す時間をもつことになりました。
人生には波があることを再認識すると、「休み」も「仕事」もどちらも楽しめるようになります。
働けるときは全力で働き、休めるときは全力で休む──。
そんなふうに、自分と休み、自分と仕事の関係性を見直すと、やる気が大きく上下動することはなくなるはずです。