「日本製」の不買運動に広がるのではないか
私がふだん見ている中国のSNS、ウィーチャットでも、中国人の友人で処理水問題について言及している人は少ない。日本人との接点があり、多角的に情報を収集できるレベルの人々は冷静で、中国政府が処理水問題を政治カードとして利用していることも承知している。
日本でも同様だが、SNS上では、注目を集めようとして過激な発言をしたり、動画を投稿したりする人が少なくないが、そうした人が国民の大勢を占めているわけではもちろんない。むしろ、そんなことをしている人々は少数派だ。ただし、SNSはいったん暴走したら止まらず、思わぬ方向へと発展してしまうこともある。
ネット上の反日行為はどこまでエスカレートするのか。一部では、日本製の化粧品や日用品への不買運動へと広がるのでは、との懸念もある。訪日団体旅行も一部キャンセルとなるなど影響は必至だ。前述のように、9月18日(柳条湖事件)という日中にとって最も敏感な日も近づいているだけに、今はあまりよくない時期に差しかかっていることは確かだ。