遺伝と非行や犯罪はどのように関係しているのか。慶應義塾大学文学部の安藤寿康教授は「未成年飲酒や喫煙などの非行は友人や周辺環境の影響もあってか、環境要因が大きいとされている。一方で、強盗や殺人などの犯罪行為については環境よりも遺伝の影響を受けやすいことが指摘されている」という――。(第2回)

※本稿は、安藤寿康『教育は遺伝に勝てるか?』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

さまざまな感情の顔を持つ5人の学生
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子供の問題行動としつけはどう関係しているのか

子どもの学業成績については、行動遺伝学によって親の働きかけと子ども自身の素質が絡まりあっていることがわかっています。親が子育てでもう一つ直面する問題は、子どもがしでかす問題行動でしょう。