「長寿の秘訣」は何だろうか。医師の和田秀樹さんは「2010年に男女ともに長寿日本一になった長野県は、高齢者就業率が全国トップレベル。体力が続く限り、できる範囲で働くことこそ、老いを遅らせるベストな方法だ」という――。

※本稿は、和田秀樹『70代、80代を楽しむためにこれだけは知っておこう!』(かや書房)の一部を再編集したものです。

腰を痛めた高齢者
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70代の人が急に老け込むパターン

仕事を退職したら何もせずにのんびり過ごしたい。そう思っている人は多いのではないでしょうか。

しかし、長きにわたり現役で仕事をしていた人が、退職後のプランを立てることなくリタイアすると、一気に老け込んでしまうことが多いのです。

70代の人が急に老け込むパターンとして、仕事をリタイアした途端、それまでやってきた活動を一気にやめてしまうというケースがあります。

そうすると、まず最初に運動機能が落ちます。

デスクワーク系の仕事であっても、通勤などで意外に身体を使っているものです。しかし、退職して1カ月も何もしなければ、運動機能はかなり落ちてしまいます。

また、脳機能の面でも、働いている間はそれなりに知的活動をしていて、他人とのコミュニケーションもとっています。しかし、退職後に何もしなくなると、そういった脳の活動も減少してしまうので、認知症のリスクが急激に高まることになります。

新型コロナによる外出自粛で歩行困難・認知症

新型コロナによる外出自粛も、50代~60代なら「ちょっと足腰が弱ったな」程度で済みますが、70代になるとそうはいきません。

70代以降になると、「使わなくなったとき」の衰えかたが、それまでよりも大きいのです。

外出を控え、歩くのをやめると歩行困難になったり、人と喋らないことで認知症につながってしまいます。