2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。家計・節約部門の第2位は――。(初公開日:2023年1月17日)
都市部に暮らす夫婦にとって、悩みの種が「子ども部屋」だ。狭い物件でも子どもの数だけ部屋を用意する方法はないか。一級建築士のしかまのりこ氏は「2LDKでも、工夫次第で子ども3人に個室をあてがうことはできる。新婚の2人暮らし~家族5人暮らしを経て子ども独立後までの部屋割りプランを考案しました」という――。
日が差しているリビングルーム
写真=iStock.com/goto-photo
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「部屋割り」次第で5人家族でも2LDKに住み続けられる

新築やリノベーション・模様替えなど、多くの住まいづくりに携わっていますが、「住まい」に関しての切実な悩みは「収納」と「子ども部屋」だと感じています。とくに「子ども部屋」ですが、3LDKや4LDKなど、子どもの数だけ子ども部屋がある間取りは問題ありません。

しかし、2LDKなど狭い間取りに住んでいる家庭も多く、とくに勉強に集中させてあげたい中学受験や、こころの成長過程でもある思春期を控えている子どもがいる家庭では「そろそろ子ども部屋をつくってあげたい」と悩む人が多いのです。そこで、いまより広い間取りへ引っ越しをするか、または、いまの住まいでなんらかの工夫をするかの選択肢が迫られます。

結婚して夫婦二人暮らしの時は、住居費を抑えるため家賃の低い2LDKに住んでいる夫婦が多いと思います。しかし子どもが一人、二人と生まれ、家族が増えると、当然ですが2LDKの間取りでは狭くなってきます。また、前述しましたように、中学受験や思春期を控えた家庭では子ども部屋を用意してあげたいという思いも強くなります。その場合、はじめに考えられるのは、広い間取りへの引っ越しです。

引っ越すより同じところに住んだ方がコスパが高い

しかし、引っ越しにかかる出費は、家賃20万円の物件の場合、敷金や礼金・仲介手数料などだけでも83万円(内訳:敷金、礼金、前家賃、仲介手数料が各20万円、鍵交換や火災保険料などが3万円)ほどかかり、引っ越し料金(家族4人の場合の平均が15万円程度)と合わせると98万円と高額になります。

これから教育費が重くのしかかる子育て世代にとっては、たいへん高額な出費になります。このような理由から、引っ越しをあきらめる家庭も多いのです。また、「時期を見て家を購入する予定がある」「親世帯と同居のため引っ越しできない」「独身時代に購入したマンションのため、ここに住みたい」など、金銭面以外にも住み替えを選ばない家庭も多く、そういった理由からも、いまの住まいを工夫して住み続けることが大切になってきます。

では、どのような工夫で、いまの狭い住まいに子ども部屋をつくるのでしょうか。そのカギは「部屋割り」にあります。部屋割りとは、「どの部屋を誰の部屋として使うか」「どの部屋をどのようにして使うか」ということで、部屋の役割を決めたり、ときには部屋のなかに別々の部屋をつくったりすることです。

この部屋割りを使うことで、狭い住まいでも子ども部屋をつくることはできるのです。そして、この部屋割りを、子どもの成長や家族の変化など、ライフスタイルに合わせて上手に変えていくことで、引っ越しや住み替えをしなくても、ずっといまの住まいに住み続けることができます。では、部屋割りの具体的な方法を2LDK5人家族(夫婦+長女・長男・次女)の例をもとに、見ていきましょう。