先進国最悪レベルの子どもの貧困

図表4は、OECD34カ国における子どもの相対的貧困率である。

相対的貧困率は、その国民の平均所得の半分以下しか収入を得ていない人たちの割合である。

この子どもの相対的貧困率は、日本がOECD34カ国中ワースト10に入っているのだ。

【図表4】子どもの相対的貧困率 ワーストランキング(OECD 34ヵ国)
出所=『日本の絶望ランキング集』(中公新書ラクレ)

このデータは「相対的貧困率」とは言うものの、日本は現在、先進国の中で平均所得は低いほうである。そのため、この数値が高いということは「子どもの絶対的な貧困者の割合」もそれだけ多いと考えていいだろう。

ひとり親家庭に厳しい日本

図表5は、OECD33カ国における「一人親世帯」の子どもの相対的貧困率である。ご覧のように、このランキングでは日本はワースト1位なのである。

【図表5】一人親世帯の子どもの相対的貧困率 ワーストランキング(OECD 33カ国)
出所=『日本の絶望ランキング集』(中公新書ラクレ)

日本は子どもの相対的貧困率も高いが、それ以上に「一人親世帯」の相対的貧困率が高いのだ。

内閣府の令和3年度「子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施の状況」によると母子家庭の親の就業率は83.0%であり、父子家庭の親の就業率は87.8%となっている。

つまりは、ひとり親家庭のほとんどの親は、就業している。

しかし、ひとり親家庭の「正規雇用」の割合を見てみると、母子家庭50.7%、父子家庭71.4%となっている。ひとり親家庭の正規雇用率は著しく低い。

非正規雇用の増加が貧富の格差を招いたことは前述したが、子どもの貧困に関しても同様に、非正規雇用の増加が大きな影響を与えているのだ。