自分に「最初の一歩」を踏み出させる法

「行動力を高める」とは、何か特別な行動をするという意味ではありません。

「やりたい」「変わりたい」と思ったとき、すぐに行動に移せるかどうか――。

それができるのが「行動力」のある人であり、実際に行動を起こすためにはどうすればいいか、という話なのです。

最初の一歩は、小さな一歩でかまいません。

一発逆転ホームランを狙っていたら、いつまでたっても行動を起こせないでしょう。

慎重にあらゆることを加味して熟考したところで、結局はやってみなければどうなるかわからないはずです。

矢印の前に立ち、あごに手をやり考え込んでいる女性
写真=iStock.com/DNY59
※写真はイメージです

些細なことでいいから、とにかくやってみる。これに尽きます。

やってみた結果を見て、もう一歩踏み出すのもいいし、考え直して軌道修正してから進むのでもいいのです。

場合によっては「これはやめておこう」と「行動しないと決める」のも、「行動力」の1つです。

大事なのは、どうやって自分自身に、最初の一歩を踏み出すよう促すか――。

これを実現するために、セルフコーチングによる「行動力を磨く方法」について解説してみましょう。

「もっと小さくできないか?」と考えてみる

考えはあっても行動に移せない人というのは、ようするにゴールどころかスタート地点も把握できないまま、同じところをグルグル回っているような状態です。

何もはじまっていないから、何の結果も変化も生まれません。そういうときは、

「これを実現するための過程を、3つのステップに分けてみると?」

という視点から考えてみるのがおすすめです。

どう分けられるか、と検討する時点で、自然とスタートとゴールが明らかになります。

ゴールに至るまでの道筋が見えてくれば、グルグルと考えるだけの状態から抜け出せるかもしれません。

たとえば、「TOEICを受験して800点を取りたい」という目標はあるけれど、「仕事が忙しくて時間がない」「挑戦するのは来年でいいかも」と先延ばしにしていたとします。

このとき、

「TOEICで高得点を取るためのステップを、3つに分けてみると?」

と自問自答してみたら、どんな答えが出てくるでしょうか?

まずはいつ試験を受けるかを決める必要がありそうです。

仮に「3カ月後の試験」とゴールを決めたなら、残りの期間でできることを3ステップに分けて考えます。一例を挙げるなら、

①受験の手続きをする
②問題集を購入する
③平日は1日2時間、休日は4時間、勉強する

といった具合でしょうか。

やるべきことがこのくらい具体的になっていると、実際に行動しやすくなるものです。

単に「ゴール」と「スタート」を設定するのではなく、そこに至るまでにするべき行動を具体的にしておくことで行動力が高まります。