そのチャンスを誰かに渡してしまっても後悔しないか

「もし、自分でない人にこのポジションを取られたら――?」

という質問は、自分の本音を上手に引き出し、行動のきっかけをつくってくれます。

もちろんビジネスにおいても、「やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい」という一面は必ずあります。

私がコーチングの講師として名古屋でスタートを切ったとき、所属していた銀座コーチングスクールは全国展開しはじめていたものの、北海道には拠点を置いていませんでした。

自分の社会人生活をスタートさせたのが北海道だったこともあって、私は「札幌校を開校したい」という希望を持っていました。

ただ、名古屋にいながらにして札幌校を運営するというのは、現実的ではないように思えて躊躇していたのです。このとき、

「もし、他の誰かが、自分の代わりにはじめたら――?」

と考えてみました。

「それはやっぱりイヤだ。自分でやりたい」

という気持ちが強くなり、行動を起こそうという覚悟が決まりました。

林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)
林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)

やってみてもしダメだったら、そこで手を引くという選択肢もあるし、方向転換して別の方法を試すこともできます。

しかし、手をこまねいているうちに別の人が先にやってしまったときの後悔は、リカバリーできません。

ビジネスの世界における変化や進化はとても速く、うかうかしていたら誰かに先を越されてしまうでしょう。

行動を起こすのにもう一歩の覚悟が足らないとき、そのチャンスを誰かに渡してしまっても本当に後悔しないか、自問自答してみると、自分の進むべき道が開けてくるかもしれません。

【関連記事】
【第1回】同じような失敗を繰り返す人とは決定的に違う…爆速で成長する人が心の中で反芻する「17文字の言葉」
ここで差が開く…やりかけの仕事が山積みなのに新たな仕事が降ってきた時、"デキる人"はどうするか
落ち込んだときに反省するのはバカの所業…日本人の9割に当てはまる「前頭葉バカ」を予防する習慣
ホメられて「とんでもないです」はダメな典型…ホメた人を虜にする世界最高のホメられ返しフレーズ
「先生もう90ですよ…」一切弱音を吐かない91歳・現役心療内科医が人生で一番つらかったこと