プレスリーは「私は早く死ぬだろう」とおびえ続けた

「キング・オブ・ロックンロール」と称されたロック歌手のエルビス・プレスリーは、お母さんが大好きでした。そのお母さんはというと、46歳という若さで亡くなってしまったのですが、そのためでしょうか、プレスリー自身も「私は早く死ぬだろう」とおびえ続けていたそうです。

エルビス・プレスリー
写真=dpa/時事通信フォト
エルビス・プレスリー

結局、彼は42歳のときに心臓発作で突然死してしまいました。「40代での死」も「死因」も大好きなお母さんとまったく同じでした。

プレスリーが突然死したのは、単なる偶然とは思えません。もし自分も早死にするだろうなどと思い込んでいなかったら、もっと長生きできたのではないかと思います。

もし読者のみなさんのご両親が早くに亡くなってしまっていても、「だから私も……」などとは考えないほうがいいですよ。そんなことを考えていると、本当に心臓が止まってしまいますので、本当に気をつけてください。

健康についての本を読むたび、不安を抱えてしまう

健康にものすごくうるさい人がいます。あれを食べてはダメ、これもダメとものすごくうるさいのです。健康関連の本もびっくりするくらい読み込んでいます。食事については栄養学者も顔負けの知識を持っていますし、医学についても相当な知識を持っています。

さて、ではこういう人は本当に幸せでしょうか。

どうもそうではないのではないか、と私などは考えてしまいます。

健康についての本を読むたび、かえって自分の健康に対して不安を抱えてしまうのではないかと思うのです。

「医学生症候群」(「インターン症候群」ともいいます)という専門用語があります。

医学生は、いろいろな病気とその症状を学ぶわけですが、そういう勉強をすればするほど、自分もその症状に当てはまるように感じてしまい、「私も病気なのでは?」と思うようになってしまう現象のことを指します。

サウジアラビアにあるタイフ大学のサミヤー・アルサグフィは、医学生195名と、他の学部の200名の調査を行って、医学生のほうが、糖尿病、高血圧、ガンなどにおびえやすくなることを明らかにしています。

医学の勉強などをしていると、自分が病気になったように感じてしまうことがあるのです。