心がくじけそうなとき、もうひとふんばりするにはどうすればいいのか。心理学者の内藤誼人さんは「『クソォ!』と声に出すのが効果的だ。ある実験では、汚い言葉を口にしていると、性別を問わず我慢強くなるという結果が出ている」という――。

※本稿は、内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

指を突き出して怒る人
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ハッピーに過ごすには「畏敬体験」をする

人生を楽しく過ごしたいのなら、ぜひ「畏敬体験」をしてください。

畏敬体験という言葉は聞き慣れないと思いますが、鳥肌が立つような、ちょっぴり恐れを抱くような、心が震えるような体験のことです。

たとえば、信じられないくらい大きな滝を見に行ったり、満天の星空を見上げたりしたときに感じるのが畏敬体験です。

スタンフォード大学のメラニー・ルッドは、「エッフェル塔にのぼってパリを見下ろす」という畏敬体験をイメージさせてから、あるいは「普通の塔にのぼって平凡な風景を見る」という体験をイメージさせてから、各自の人生満足度を聞くと、前者のほうが人生満足度を高く評価するようになった、という報告を行っています。

畏敬体験をすると、私たちは、とてもハッピーな気持ちになれるのです。

「なんだか毎日がつまらない」
「私の人生は味気ない」

もしそんなふうに感じているのだとしたら、ぜひ畏敬体験をしてみましょう。

ものすごく大きな仏像とか、東京スカイツリーのような大きな建物とか、1000年以上の歴史のあるお寺とか、大きな橋とか、そういう場所を探して出かけてみるのです。

自分がどんな対象に感動するのか知っておく

「おっ、これはすごいな!」と感じられるものであれば、なんでもかまいません。美術館や博物館もおススメです。そういう場所には、素晴らしい絵画や彫刻など、いろいろな作品がいくらでも展示されていますからね。絶対に、畏敬体験をできるはずです。

出かけるのが億劫なのであれば、テレビのドキュメンタリー番組でもいいかもしれません。どこまでも広がる砂漠や、光の届かない深海のような映像を見ていると、やはり心が震えると思います。

人によって、何に畏敬体験を感じるかは違うと思いますが、心を震わせて、感動できるというのは素晴らしいことです。そういう体験を月に1回くらいずつするようにすれば、人生が味気ないなどと感じることもなくなります。「生きているって、素晴らしい」と感謝できるようになります。

ヨーロッパのお城を見るとすごく興奮するとか、巨大な戦艦を見ると感激するとか、自分がどんな対象に畏敬体験をするのかを知っておくといいですよ。そういう写真や画像をスマートフォンに保存しておけば、自分の好きなときにいつでも感動できますからね。そういう楽しみをつくっておくことが、人生を楽しむコツです。