暑い日には外に出ないほうがいい

太陽がジリジリと照りつける日には、だれでも、イライラ、ムシャクシャするものです。したがって、真夏の暑い日には、なるべく外に出ないのが賢明です。「君子、危うきに近寄らず」という古人の教えもありますよね。

暑い日にフラフラと外を歩いていると、おかしな人にからまれて、暴力事件に巻き込まれるかもしれません。車のドライバーもイライラし、乱暴な運転をするので、交通事故に巻き込まれる可能性も高くなります。

暑い日には、とにかく外に出ないこと。

フロリダ国際大学のエレン・コーンは、ミネアポリス警察の2年間の犯罪データ(銃やナイフを使った強盗や誘拐など)を3万6617件調べる一方、気象情報サービスで気温も調べました。その結果、気温が高くなるほど犯罪が増えることがわかったのです。

また、デューク大学のリチャード・ラリックは、メジャーリーグの5万2293試合で、ピッチャーがデッドボールを当てる回数と気温の関係を調べてみましたが、気温が高くなるほどピッチャーはデッドボールを当てる確率が高くなることがわかりました。

メジャーリーグのピッチャーは、プロですよ。プロなのですから、当然、メンタルコントロールも訓練しているはずなのですが、そういうプロのピッチャーでさえ、気温が高いときにはイライラして、バッターにボールをぶつけやすくなるのです。

気温が高い年には戦争や内戦が起きやすい

暑い日には、外に出ないほうがいいという私のアドバイスも理解していただけたでしょうか。

そうそう、気温が高い年には、戦争や内戦なども起きやすいというデータもあります。

内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)
内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)

コロンビア大学のソロモン・シャンは、1950年から2004年までの気象データを用い、エルニーニョ現象(海面水温が高い)と、ラニーニャ現象(海面水温が低い)の発生と、政治的な混乱(内戦・内乱)の関係を調べてみました。

その結果、エルニーニョ現象が発生している年には、ラニーニャ現象が起きた年に比べて政治的な混乱が2倍も起きることがわかったそうです。

暑い年には、人の心は暴力的、攻撃的になりやすいので、それが政治的混乱の引き金になることもあるのですね。こういうときには、よほど注意していないと、おかしなことに巻き込まれてしまいますので要注意です。

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