※本稿は、内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
私たちの身体は心と連動している
「雨の日には、ヒザが痛くなるんだよな」と信じている人は、本当に雨が降ってくると、ヒザが痛くなってきます。「年末になると、毎年ひどい風邪をこじらせるんだよな」と思っている人は、やはり今年も年末になれば風邪をひくでしょう。
私たちの身体は、心と連動しています。
そのため、何らかの思い込みを持つと、それが身体を害するのです。いつまでも健康的でいたいのなら、おかしな思い込みを持たないことが大切です。
ヒザが痛んだり、風邪をひいたりするくらいなら、まだそれほどの害でもありません。許容できる範囲ですからね。
けれども、思い込みによって人は死んでしまうこともある、という話を聞いたらどうでしょうか。思い込みで心臓が止まってしまう、ということは本当にあるのですよ。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のデビッド・フィリップスは、なんとも不吉な研究を行っています。
「4」のつく数字の日に、心臓病関連の病気で死にやすい
フィリップスは、日本人と中国人が「4」という数字を忌み嫌っていることに興味を持ちました。そのため、日本人と中国人は、「4」がつく数字の日に死んでしまうことが多いのではないか、という仮説を立てたのです。
この仮説を検証するため、1973年1月1日から1998年12月31日までの、日本人と中国人の死亡統計約20万人分と、白人の死亡統計約4700万人分の比較を行ってみたのです。
その結果、日本人と中国人は、「4」のつく数字(4日、14日、24日)の日に、心臓病関連の病気で死にやすいことがわかりました。特に心不全での死亡率は、4のつく日には、その他の日よりも13%も増加していました。カリフォルニア州に限ると27%もの増加が見られました。白人にはそういう日付の影響はありませんでした。
1人、2人くらいが「4」のつく日に死んだのなら、「まあ、そういうこともあるか」と受け流せますが、20万人分の統計データではっきりとこういう傾向が見られたわけですから、思い込みによって人が死ぬ、ということはほぼ間違いないといってよいでしょう。