チームに「働かないおじさん」がいたらどうすればいいのか。戦略コンサルタントの山本大平さんは「『働かないおじさん』という言葉を使う人も生産性を生んでいない。自分自身も将来そうなるかもしれない、と考えれば、対応策はみえてくるはずだ」という――。

※本稿は、山本大平『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)の一部を再編集したものです。

オフィスで退屈そうにしている男性
写真=iStock.com/BitsAndSplits
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なぜ「やる気」を失ってしまったのか

Q チームに「働かないおじさん」がいたらどうする?

新しく立ち上がったプロジェクトのメンバーに「働かないおじさん」がいて、対応に困っています。聞けば、若い頃はかなりのやり手だったとか。それもあるのか、何かにつけて「こんなやり方ではダメだ」的な決めつけが多く、そう言われると無視するわけにもいかず。同じチームの一員としてどう接していけばいいのでしょうか。

A 現状を受け入れ、フォローしつつ、やってもらえることを敬意を持って探そう

手取り足取り箸の上げ下げまで教える必要があるような若手社員が配属されてきた、という話であるなら、鍛えれば伸びる余地があるし、うまくいくと大化けする可能性もあるので、積極的に関わることをお勧めするところですが、このケースは悩みますね。

今はチームのなかで困った存在になってしまっているかもしれないけれども、あなたの知らない時代に、会社に貢献されていたのですよね。ただ何かのきっかけがあってやる気がなくなった、そう捉えることもできます。会社員って本当にいろいろありますから。

活力のある人材だけでやっていくしかない

とはいえ、プロジェクトを一緒に回していかなくてはならないメンバーとしては、働かないおじさん(やる気がなくなった中堅社員)の処遇は差し迫った現実的な問題でもありますよね。

では一体どうすればいいのか。

まずメンバーそれぞれが、活力のある人材だけでやっていくしかないという現状を受け入れること。

こうなったからには、メンバーが互いにフォローする必要があることを確認し合いましょう。逆にやる気のないおじさんの存在のおかげで他のメンバーが「なんとかしなきゃ」と結束するムードづくりをしてはいかがでしょうか。その上で、そのやる気のない社員にもやってもらえる仕事を探し出し、敬意を持って割り当てます。

その人には意思決定を預けたり、大事な会議に出てもらうのは無理かもしれない。でも、例えばご意見番としてプロジェクトの要所要所で会社の過去情報を教えてもらうなど、その人ならではの情報を得ることはできるのではないでしょうか。

働かないおじさん、と言っているあなたも、もしかしたら将来そうなる可能性はあります。何かしらのきっかけとともに。

【生産性ゼロポイント】
働かないおじさん、という言葉を使う人も生産性を生まないことを知ろう