受信料の引き下げは、どれほど効果があるのか
「高すぎる」との声を受けて、NHKは、今年10月から受信料を1割引き下げ、地上波契約は1100円、衛星契約は1950円に、それぞれ値下げする(*4)。
娯楽やニュースをNHKから得る人を増やすために、こうした受信料の引き下げは、どれほど効き目があるのだろうか。
いまのNHKは、信頼度(だけ)は高いものの、娯楽もニュースも必要とされていない。いわば、小学校のクラスに必ずいる学級委員のような堅物でしかない。
頼りになる、と思われているものの、実際に何かを求められているわけではなくなりつつある。
まったく見向きもされなくなる前に、例えばニュース特化に舵を切り、24時間365日いつでも速報に対応できる体制の構築などを改めて検討してしかるべきだろう。
娯楽番組についても、いまのように、民放テレビと差別化が図れないのであれば、思い切ったリストラが求められる。
近年では、池上彰氏や岩田明子氏のような記者や、有働由美子氏や武田真一氏のようなアナウンサーを民放テレビに供給する人材育成機関のような趣すら感じられる。
優秀な人を集める場所、という点は、だれもが認めている。
優れた人たちを適材適所に配置し活用するための、身の丈にあった、常識的でリーズナブル(合理的かつ適正価格)な変革が急務である。
(*1)「第15回 メディアに関する全国世論調査(2022年)」公益財団法人 新聞通信調査会
(*2)「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」ニッポン放送、2023年7月31日11時30分~13時00分
(*3)「テレビと動画の利用状況の変化,その背景にある人々の意識とは 『全国メディア意識世論調査・2021』の結果から」NHK放送文化研究所世論調査部 内堀諒太、渡辺洋子
(*4)「NHK受信料1割値下げ 10月から地上波は月額1100円に」TBSテレビ、2023年6月21日19時59分