安全な加工食品

NOVAシステムは、食品を加工の性質によって4つに分類した。

■グループ1:食品の長期保存、簡易調理のための加工

その1つ目、NOVAグループ1は、非加工食品と、組成をほとんど変化させない単純な方法――乾燥、粉砕、焙煎、煮沸、低温殺菌、非食用部分の除去、真空パックなど――で加工された食品である。

グループ1の加工の主な目的は、保存性を高めて食品の寿命を延ばすことや、調理を簡易化することにある。この分類の食品の例には、低温殺菌牛乳、粉乳、冷凍・缶詰野菜、無塩のローストナッツ、乾燥豆などがある。

■グループ2:下ごしらえ、風味づけのための加工

NOVAグループ2は、グループ1のようなホールフードを含まず、食品の下ごしらえや調理、風味づけに使われる食材である。バターやオイルなどの油脂類、メープルシロップなどの砂糖および関連製品、塩などがこれに含まれる。

これらの食材は、主に精製、抽出、圧搾、また塩の場合は採取、蒸発などの機械的加工によって製造される。

■グループ3:缶詰、瓶詰

NOVAグループ3は、加工食品だが「超」のラベルには相当しない。これらは瓶詰や缶詰、場合によっては発酵などの保存技術を用いて、グループ1の非加工・最小加工食品に、グループ2の食材(脂肪、糖、塩)を加えて製造される。

グループ3の加工の主な目的は、グループ1の食品の品質保持期間を延ばし、嗜好性(おいしさ)を高めることにある。このグループの食品の例には、缶詰・瓶詰の豆や野菜、果物、缶詰の魚、塩または砂糖で味つけされたナッツ、塩漬け肉・乾燥肉・燻製肉、伝統的な製法でつくられた新鮮なチーズやパンなどがある。

超加工食品=工業製品

■グループ4:ペンキやシャンプーと同じ「工業製品」

工業的製法で広範な加工が行われているため、ときには食品と見なされず、「超加工製品」と呼ばれることさえある食品だ。ペンキやシャンプーと同じ工業製品だが、消費者の装飾的な美学や衛生観念にではなく、味覚に訴えるよう設計されている。

塗料に塗るペイントブラシ
写真=iStock.com/ChristopherBernard
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一般に超加工食品の製造は、大規模な機械によってホールフードをデンプン、糖、脂肪、油、タンパク質、食物繊維などの成分に分解するところから始まる。主な原材料は、工業生産された高収量作物(トウモロコシ、大豆、小麦、サトウキビ、テンサイなど)や、集約的に生産された畜肉の挽肉やすり身である。

続いて加水分解(化学分解の一形態)や水素化(水素原子の付加)などの化学的修飾を施されてから、ほかの物質と組み合わされることもある。

またその過程で、さらに工業加工(前揚げ、押し出し、成形など)されたり、また品質保持期間を延ばし、食感や風味、匂い、外観を変えるために、化学添加物を配合されることもある。こうした添加物の多くが農産物由来ではなく、石油などの産業に由来する化学物質である。