私は現在シンガポールで暮らしていますが、出会う人々は目の前の仕事に集中し、次のチャンスを掴もうと精一杯生きている人ばかりです。そんな環境に身をおいていると、他人のことが気にならないようになりました。同じマンションに暮らしていて一緒に食事をする仲の友達ですら、どんな仕事をしているのか気になったことがありません(笑)。

現在、私の周辺には成功者や成功しそうな人に嫉妬して、足を引っ張ろうとするアホはいません。自分の人生を精一杯生きているからこそ、自分も成功するためにその人の成功を称え、仲間となり、力を借りて、一緒に成功するほうが自分の人生のプラスになると理解しているからです。

今後、日本ではインフレが進み物価が上昇していくと、生活に余裕がなくなり、必然的に他人に構う余裕もなくなると予想します。今後は干渉・嫉妬型アホは減少していくはずです。

しかし、もうひとつの「イライラ型アホ」は増えるかもしれません。干渉・嫉妬型アホが少ないシンガポールでも、イライラ型アホを見かけることはあります。テクノロジーの発展によって従来のやり方が通用しなくなったことや、時代が変わるとともに常識が変化し、何が正解かを見失った人たちが余裕を失い、うまくいかない原因を他人のせいにするようになっているのです。

格差社会では余裕のない人が増加します。時代に乗り遅れた「昭和脳」の一部のおじさんたちや、受験や就職に失敗した若者などがイライラ型アホになると推測しています。

アホとは戦わずやり過ごせ

ですが、アホが増えたからといってアホの行動や言動に心を痛めたり、「やっつけてやろう」と戦うことは、おすすめできません。アホと戦うと、時間やエネルギーのような、あなたの人生にとって貴重な資源を浪費するからです。そこまでしてアホに構う価値はありません。

ですが、「戦うべきではない」からといって、下手な反応をすると火に油を注いでしまう可能性があります。そのため、いくつかの対処法を身に付けましょう。

まずは「負けたフリ」です。アホとの付き合い方は相手に勝ったと思わせて、それ以上の攻撃を避けることが大切です。そのためには相手の攻撃に反撃せず、「その通りです」とうわべだけ相手の言葉に同意して受け流すようにしましょう。

また、人生における「目標」を立てるのもいい対処法だといえます。前述の通り、目標に向かって努力している人たちは他人のことを気にしませんし、目標を達成するために周囲の人をいい意味で利用し、自分の成長に役立てようとします。このいいサイクルに入っていけば、あなたがアホを相手にしようとは思わなくなるはずです。

簡単すぎず、かといって難しすぎない目標を設定するとモチベーションが維持されるので、現在の自分が120%のパワーを出して達成できるくらいの目標を定めるといいでしょう。