子どものことを考えているはずなのに…

すると、親御さんの動きがピタッと止まります。

「口ぐせ……どんなことを言っていたかなぁ……」
「朝起きてから……私はそのとき、家のことをしているからなぁ……」
「遊び……いろいろやってるけど、どれが一番好きなのかなぁ……」

子どもの相談に来ているのに、意外と子どものことを知らない自分に気づくのです。

子どものためにこんなにも頑張っているのに、今、目の前にいる子どもの口ぐせや好みがわからない。決して、子どものことを考えていないわけではないのに……。

そんなとき、私はこう声をかけます。

「大丈夫。これからはお子さんを温かく見守っていきましょう。何を与えてあげればいいかは、お子さんをしっかり観察していれば見えてきますから」

中学受験直前で伸び悩んでしまう子の共通点

これまでに5000組を超えるご家庭と学習の進め方についての面談を重ねてきましたが、面談ではお子さんの「現在の様子」だけでなく、「これまでどのように育ってきたか」にまで話が及ぶことも少なくありません。

たくさんのご家庭の話を伺って気づいたのは、いわゆる「教育によさそうなもの」をたくさん与えられ、手取り足取り面倒を見てもらってきたお子さんは中学受験直前の小6になって伸び悩んでしまうことが多い一方で、親に見守られて「虫とり」や「お絵かき」など好きなことにとことん熱中した経験のあるお子さんは、最後の最後で踏ん張りをきかせてぐんぐん成績を伸ばしていくという事実です。

私は2017年から、俳優・タレントの養成を行うテアトルアカデミーさんとともに、「Kids Perform Challenge」という子育てプロジェクトを開始したのですが、特別講座やセミナーを行うたびに、似たような状況を見聞きします。