食べることは消化器官からすれば一大イベントで、かなりの活動エネルギーを必要となります。だから、食べているときより、実は食べた後のほうが疲れます。一説によれば、三度の食事はフルマラソンに匹敵する消費カロリーともいわれます。毎日フルマラソンを走ると考えると、それは当然疲れますよね。

「生野菜と果物中心の食生活」の意外な効果

そこで私が実践したのが、「生野菜と果物中心の食生活」でした。野菜はとにかく、生で食べました。というより、野菜は「生でかじる」感覚です。普通は加熱して調理するごぼうでも、生でガリガリ食べました。果物も、バナナ、リンゴ、オレンジ、キウイなど、なんでもよいのです。

ダイエット計画と健康的な果物を書く栄養士
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生の食べ物には酵素が含まれています。そのため、生の食べ物を食べると酵素を補うことになり、胃腸は援軍を得て重労働から解放されます。胃腸への負担が軽くなるというわけです。すると、体があまり疲れなくなります。

疲れなくなると動くのが億劫でなくなります。体が身軽な感じです。体が疲れていないので、動作を起こすことが面倒でなくなります。ですから、人に何か頼まれても「いいですよ」と気軽に応えられてしまう。

そこまでではなくとも、イライラすることが少なくなり、食後もスムーズに仕事に移れます。イライラが少なくなれば、人との衝突も減るでしょうし、人間関係にもよい影響が出てきます。それが、うつの原因となるストレスを減らすことにつながります。

ステーキ、トンカツ、焼肉は元気が出そうだが…

体に負担をかけないためには、当たり前ですが「体を傷つけるもの」もよくありません。具体的には以下のようなものです。

・タバコ
・アルコール
・コーヒー、紅茶などのカフェイン飲料
・薬
・過剰なタンパク質、赤身の肉類
・過剰な塩分
・加工食品と砂糖

焼き肉や、鉄板の上でジュウジュウ音を立てた厚切りステーキを食べると気分が上がる気がします。ですが、肉のように高タンパク質、高脂肪の食べ物は消化に時間を要します。肉はたとえ生で食べても体に負担をかけやすいのです。

少し専門的にいえば、高タンパク質、高脂肪の食品は分子構造が複雑なために分解するのに多大な労力を必要とします。

その労力とは酵素にほかなりません。肉を、それも加熱した焼き肉やステーキを大量に食べると、胃袋にまるで鉛が入ったような重さを感じるのはそのためです。ですから、本当に気分を上げるには、熱々のステーキより、生野菜や果物を好きなだけ食べるほうが実は効果的なのです。