うつになりやすい人は、完璧主義だとか、断れない性格だとか、まじめなタイプだとか、人の目が気になるタイプだとかいわれますが、何年もかけてつくってきた「自分」を変えるのは簡単ではありません。それは、僕も身に染みてよくわかります。
といって、ストレスそのものを排除できるかというと、それも難しいものです。人間関係のストレスには相手がいるので自分だけで解決できませんし、リストラや身近に起きる不幸などは、自分ではどうすることもできません。結局、その場の気持ちを抑えてくれる薬を頼りますが、原因を解決できていないので一向に治りません。それが僕の7年間でもありました。
そんな僕でしたが、うつからすっかり抜け出すことができました。性格は変わりませんし、仕事も、生活環境も、人間関係も、まったく同じでしたが、変えたものが1つだけありました。食事です。
「うつ抜けできた食事法」の3つのポイント
うつと食事。一見、関連があるように思えませんが、私たちの体は食べたものでつくられていて、食べることで生命活動を維持しています。心の動きや脳の活動も、もちろん食べることによって支えられています。考えてみると、うつと食事に関連がないわけがないのです。
きっかけを与えてくれたのは、アメリカの経営コンサルタントであるジェームス・スキナー氏の『成功の9ステップ』という成功哲学の本の中で紹介されていた「ナチュラルハイジーン」という食事法です。そしてもう一つ、故・甲田光雄先生(元大阪大学医学部非常勤講師、甲田医院院長)が考案した「西式甲田療法」という健康法です。
これらを参考に考案した食事法のポイントは3つです。
①体に負担をかけない食事を心がける
②腸内環境を整える食事を心がける
③脳に栄養を与える食事を心がける
「体に負担をかけない食事」とは…
実は食事は「体を疲れさせる」行為なのです。
私たちの体は食べ物から栄養をとり、それを活動エネルギーに換えています。食事でエネルギーを補強するのだから、一見して疲れが吹き飛ぶように思えます。しかし、栄養を行き渡らせるには消化吸収が必要です。その前には、食べ物の分解もしなければなりません。つまり、食べることは胃腸や肝臓など消化器官に負担をかける行為でもあるのです。
体は、胃腸や肝臓に頑張って働いてもらうために、大量の血液を送らなければなりません。それと同時に、消化酵素など、大量の体内酵素も動員されます。酵素は栄養の消化吸収、そして分解とすべてにわたって必要な体内物質だからです。消化吸収の担い手は、この酵素といってもいいと思います。