「must」は「相手に強制的に押し付ける義務」のニュアンス
「えっ、ちょっと待って! 義務と言えば、mustじゃないの?」
はい、いい質問ですね。
mustは強い義務と見なすのが一般的ですが、ちょっと細かく語源的に解釈すると、元々mustというのは万人が当然と見なす「義務」というよりは「相手に向かって強制的に押し付けるような義務」といったニュアンスがあります。
have toのニュアンスは……イメージ化したほうがよりわかりやすいと思うので、次に描いてみました。
have toは、誰がこの位置に座っても、同じ義務が課せられるイメージ。
私でなくても、あなたでも、彼でも、猫でも、誰がこの位置に座っても同じことを命じられるような「義務」です。
よって、誰が見ても妥当性のある義務であり、個人による強制的な主張じゃないからこそ「must」よりもずっと気軽に使えるのかもしれません。
「口語ならhave to、書き言葉はmust」で覚える
要は、mustは「強~い義務」もしくは「強制的な義務」。一方のhave toは「誰が見ても妥当な義務」。ですが正直、どっちのほうの程度が強いとか弱いとかいちいち考えるのも面倒じゃないですか!
なので私は、単純にこう考えます。
「口語ではhave to! 書き言葉ではmust!」
これが一番簡単だと思います。
実際、そうですよね。話し言葉で「must(すべき)」を使う人もあまり見なければ、逆に公式な文面などで「have to」を見かけることも、あまりないのですから。
mustとhave toの違いを理解していただけましたか? これまでずっと「must」のほうが身近な気がしていたのに、一気にhave toへの親近感を覚えるようになったのではないでしょうか。