“手軽さ”を求める結果…

ちなみにamazonで「お金」「増やし方」といったキーワードで書籍を検索すると600冊以上の本が出てきます。恐らくダイエット本も似たようなものでしょう。「ズボラでもお金は増やせます」とか「お腹いっぱい食べても楽に痩せられます」みたいな本はたくさん出ています。でもそのほとんどは恐らくあまり役に立たないものが多いのではないかと思います。

ズボラな人はいくらやってもダメでしょうし、お腹いっぱい食べたら体重が増えるのはあたりまえです。要するにやり方が問題なのではなく、「時間」と「我慢」が重要なのです。でもそれがなかなかできないから、手軽にできる方法はないか? といろいろな本に飛びつくことになるのでしょうが、世の中にそれほど甘い話はありません。

階段の中ほどに長期と短期の分かれ目が描かれている
写真=iStock.com/chaofann
※写真はイメージです

1億円貯めた普通の会社員に共通すること

「これが絶対」というノウハウが本当にあるとすればそれを書いた本だけが売れて、他の本は売れないはずです。ところが次から次へと「お金の増やし方」や「簡単なダイエット本」が出てくるのは結局、そんな魔法の方法はないからです。「時間」と「我慢」という大切なことが理解できていれば、方法はどんなやり方でもうまくいくと思います。

ダイエットについて私はまったくの素人ですが、資産形成に関しては専門家です。以前『となりの億り人』という本を書いた時に普通の会社員で1億円以上の資産をこしらえた人にたくさんインタビューしましたが、そのやり方は実にさまざまでした。投資信託の積み立てに限らず、米国株式や、不動産投資、中には貯金だけで1億円を達成した人もいます。やり方はさまざまなのですが、どなたにも共通するのは時間をかけたことと、どんな環境になってもそれを続ける強い意思を持ち続けたことです。

安易な本や記事にすぐ飛びつくのではなく、いま一度本質的なことをしっかりと考えてみたほうがいいのではないでしょうか。

【関連記事】
新NISAは「やらないデメリット」のほうが大きい…「毎月1万円を20年間積み立て」の結果にあなたは驚く
老後2000万円には「貯金なら毎月6万円」だが「新NISAなら月2万5000円」…富裕層が必ず資産運用をするワケ
今から日本株を買ってはいけない…資産1億円超のお金持ちが2023年後半に向けて狙っている"有望な投資先"
新NISAが始まっても投資に手を出してはいけない…経済学者が「老後に備えるならコレ」と唯一勧める金融商品
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"【2021上半期BEST5】